教えて!先生81「イヤイヤ期の親の心得」

2歳半くらいから3歳にかけて始まる「イヤイヤ期」

以前のブログで、イヤイヤ期は「気持ちを伝えるおけいこ」をしている時期で、
癇癪(かんしゃく)を起こしてしまうのは、気持ちを伝えたいという意欲のあらわれだとお伝えしました。
教えて!先生17「イヤイヤ期」

成長の証だとわかっていても、大きな声で泣きわめくわが子の相手をしていると、ついついきつく叱ったり、大きな声を出してしまったりして、イライラしていませんか?

他のパパ・ママはうまく対処できているのに、なぜ自分だけがうまくやり過ごせないんだろうと落ち込んでしまう方も多いようです。

そこで今回は、イヤイヤ期の子を持つ親が、どんな心得をもって過ごせば良いかをお伝えします。
 

「言うこと」は聞かないものと心得る

イヤイヤ期の子どもは「親の言うことは聞かないもの」と心得てください。
もし、何かしてほしいことがある時は、目の前で親がして見せると良いですよ。
イヤイヤ期の子どもは言うことを聞くのはイヤでも、行動をマネするのは大好きだからです。
 

イヤイヤ期
 
イヤイヤ期の癇癪(かんしゃく)は、気持ちを伝えたいという意欲のあらわれでしたね。

ですから、子どもの表面的な言動(泣く・わめくなど)に振り回されないでください。
その言動の背景にある「子どもの思い」を読み取ろうとすると、心に余裕ができます。
 

声掛けの例
「◯◯ちゃんは×××したかったんだね。だからできなくて悔しかったんだね」

子どもが感じているモヤモヤを言語化して、共感してあげると、子どもは落ち着きます。
自分の意見・思いを受け止めてもらった(認めてもらった)と安心するからです。

逆に、親が感情的になって大きな声を出すと、子どもの感情はさらに高ぶってしまいます。
大人が感情的にならない、焦らないことが大切なのです。

また、外遊びをしていて「もっと遊びたい!まだ帰りたくない!」と言われた時はどうでしょう。
いつまでも帰らないわけにはいきません。
これは「わがまま」です。

わがままを主張する場合は、受け入れられない理由を冷静に伝えて、納得させることが大切です。
 

声掛けの例
「楽しかったね。まだ、遊びたいよね。
 でもね、お夕飯の時間になるから、(時計を見せて)長い針がここに来たら帰ろうね」

この時のポイントは3つです。

  1. 子どもと同じ目の高さで
  2. 声のトーンを少し下げて、少しゆっくりと
  3. 長々と説明せず簡潔に伝える(途中から聞かなくなるため)

 
こうすれば、子どもも落ち着きますし、親もイライラすることはありません。
子どもに寄り添った言葉がけを心がけましょう。

 
イヤイヤ期
 

「さり気なく」サポートする

イヤイヤ気の子どもは、着替えや靴の脱ぎ履きを自分でやりたがりますよね。
でも、うまくできなくて癇癪を起こすのが、もうひとつのパターンです。

こんな時の魔法の言葉が「ちょっとお手伝いしてもいいかな?」です。

自立心が芽生えた子どもは、自分が主体となって、自分のペースで物事を進めたいのです。
どうしても一人ではできず、感情が溢れそうになったその時、親がさり気なく助け舟を出すのです。
 

声掛けの例
(靴を自分で履こうとするが、うまく足が入らない時)
親「ちょっとお手伝いしてもいいかな?」
(声をかけてからかかとに手を添えると、スムーズに履くことができた)
親「上手に履けたね!」
 
さり気ないサポートが子どもの自尊心を守りました。

このパターンでイライラを減らす一番のコツは「親が時間の余裕を持つこと」です。

また、時間が十分に取れない時はイライラしてしまうかもしれませんが、
「イライラしている」=「子育てに失敗している」ではありません。
「イライラしている」=「真剣に全力で子育てしている」と捉えて、自分をもっと認めてあげてください!

そして、上手くいかないときは「今日の私はこれでよし!」という開き直りも必要です。
今は確かにイライラばかりかもしれませんが、イヤイヤ期はいつか必ず卒業の日を迎えるので安心してください。
 

イヤイヤ期
 

イヤイヤ期は気持ちをコントロールする方法を学ぶ、大切な時期です。
周りの大人がブレず、焦らず、感情的にならず、冷静に対処する事が大切です。

そして子どもにしっかり愛を伝え、子どもに「すごい!」と思わせるほど、たくさん楽しく一緒に遊ぶと子どもも落ち着いてきます。
イヤイヤ期は必ず終わりが訪れます。
だから、大丈夫!