「手先が器用な子は、学力が高い」
これは脳科学的にも証明されている事実です。
「親が不器用だから、子どもも不器用になる」と思っていませんか?
器用さは遺伝ではありません。
幼い頃から“ある部分”をトレーニングすることで、器用な子どもに育てることができます。
手は「第二の脳」
大脳の中の「手指」をコントロールする領域は、全体の約3割を占めています。
つまり、手指を動かすことで、脳の広い領域を刺激することができるのです。
そのため、手は「第二の脳」と言われています。
脳の神経細胞は、3歳までに60~80%ができあがると言われているので、この時期に指先を使うことで脳はたくさんの刺激を受け、思考力・言語力・運動能力などがぐんぐん発達していくのです。
その結果として、手先が器用な子は学力の高い傾向が見られるのです。
年齢に合わせた「指先トレーニング」
そもそも「器用」とは、「細かいことをうまくこなせること」です。
指先を思いどおりに動かせると、器用になるということですね。
日頃から「指先」をトレーニングしましょう。
「指先トレーニング」は0歳からできます。
年齢に応じて、遊びの中でトレーニングの幅を広げていきましょう。
0歳~1歳
ガラガラや握ると音が鳴るぬいぐるみなど、指や手の動きとともに音が鳴ったり、光ったりするおもちゃで遊ばせましょう。
手指の動きに連動して、聴覚・視覚も刺激され、脳にたくさんの刺激が与えられます。
2歳~3歳
この頃から指先を上手に動かせるようになるので、積み木・お絵かき・粘土遊び・パズル・折り紙などで遊ばせましょう。
また、スプーンやお箸の練習を始める時期です。
お箸の練習の前に、ピンセットで物をつまむ遊びをすると、指づかいがよりスムーズになります。
4歳~6歳
集中力を高めるのに最適な時期です。
パズル・粘土遊び・ブロック・あやとりなど、2~3歳では難易度の高かった遊びも、自分なりに考えて形を作って遊ぶことができるようになります。
遊びを通して指先をより細かく、複雑に動かすことで脳が活性化し、集中力だけでなく、記憶力なども培われます。
指先トレーニングは、年齢に応じて少しずつ高度なことができるようになります。
1つできるようになると、次の遊びへの興味が生まれます。
また「できた」経験が達成感となり、さらなる自信につながるのです。
お手伝いで「指先トレーニング」
子どもは、大人の真似をしたがります。
3歳ごろから少しずつ、家のお手伝いをさせてみましょう。
お手伝いの動作は、どれも指先を使います。
何気なくやっている動きの中に、指先を鍛える動きがたくさん含まれているのです。
お手伝いについて詳しくは、教えて!先生40「お手伝いの効果とコツ」をご覧ください。
子どもの「やりたい」「楽しい」と思う気持ちを大切にしながら、親子一緒に指先トレーニングを実践してください。
そこから、たくさんの自信をつけて、さらに指先を使うことの楽しさを感じていけば、自然と器用な子どもに育っていきます。