教えて!先生21「思春期の接し方」

小学4年生くらいになると、
今までできていたことをわざとしなかったり、
口ごたえをして反抗したり、
接し方に困るようになります。

これがいわゆる思春期の始まりです。

どうしてほしいのかを言ってくれたら尊重するのに、思春期の子どもはちっとも教えてくれないし、何を考えているのかわからないし・・・。
扱いに困ってしまいますよね。

そこで、子育てを終えた講師歴20年以上のベテランスタッフが思春期の子どもの上手な接し方をお教えします!

思春期は、9歳ごろから18歳くらいまで続きます。
長い長いステージですが、よく理解してうまく乗り越えましょう!

思春期
 

不安なのは子ども自身と理解する

小学4年生くらいから、体の中でホルモンの分泌が活発になり始めます。
そのため、体力を消耗して疲れやすくなったり、感情のコントロールがうまくいかなくなったりして、
子ども自身が「自分はどうかしてしまったのではないか?」と不安になるのです。

また、第二次性徴が始まって男女とも体つきの変化があらわれ、見た目を気にしたり、変化を恥ずかしいと感じたりするのです。

これらの現象は、子ども自身が意識して改善できるものではありません。
戸惑い、不安になり、困っているのは、子ども自身であることを理解しましょう。

思春期
 

思春期について話す

子どもに次のようなことを話して「私は理解しているよ」と伝えることで、子どもの不安を和らげることができます。
ぜひ、じっくり時間を取ってみてください。

  • 身体の中で成長ホルモンの働きが激しくなって、子どもから大人に成長するための準備をしていること
  • 今まで感じたことのない変化がたくさん起きるかもしれないけれど、おかしいことではないこと
  • 友だちもみんな似たような感覚に悩まされるけれど、やがて落ち着くこと
  • きついときはゆっくり過ごしてもよいが、起きる時間・寝る時間・身の回りの整理整頓などは乱れすぎないように自分で気をつけたほうがよいこと
  • 聞きたいことや相談したいことがあれば、いつでも親は話を聞くし、相談してもらえるとうれしいこと

 
思春期
 

できるだけ口を出さない

子どもに思い悩む様子が見られたら、さりげなく子どもの視界の中にいるようにしましょう。
すぐには口を出さず、様子を見て、しばらくしてから「どうした?」などと声をかけてみます。

素っ気ない言葉が返ってきても、気にしてはいけません。
「うまく説明できないけど困っているんだろうな」と察して、静観しましょう。

また、スキンシップを心がけましょう。

拒否されなければ抱きしめたり、マッサージをしたり、一緒にお風呂に入ったり。
拒否される場合は、指相撲や腕相撲をもちかけてみましょう。
肌の触れ合いを拒否される場合は、なぞなぞを突然ふってみるなど、会話で触れ合います。

子どもが質問や相談してくる時は、勇気を振り絞ってSOSを出しているのです。
どんな内容でも、丁寧に対応します。

さらに、思春期の子どもは不安になりやすいので、子どもの良いところをさらりと話して、安心感を高めます。

「今日、◯◯してくれて助かった」
「◯◯してたのよく気づいたね」など。

ただし、幼児の時のようにオーバーアクションでほめると、かえって白々しくなり、反発したくなるかもしれませんのでやめておきましょう。
 
思春期
 
息子が思春期真っ只中の時
「おかあさん、オレね、なんかわからんけどね、むちゃくちゃイライラするんよね」と困った顔で話してきました。

それに対して私は
「そっかー、イライラするんだー」と返しました。

イライラは止められないので、困っている子どもの気持ちをそのまま受け止めるようにしました。
そんな息子も今は独立して離れて暮らしていますが、「母さん元気?」と気遣ってくれるようになりました。
思春期のあのイライラも良い思い出です。

思春期は、子どもから大人になるための大切なステップ。
決して本人の態度が悪くなったわけでも、親のしつけがなっていないわけでもありません。

親は、子どもの心に寄り添うことが大事。
この状況は、わが子だけではありません。
みんな同じような変化を経験するのです。

だから過剰に心配しなくても大丈夫です!