生後3か月頃から2歳頃にかけて
「寝つきが悪い」「夜泣きする」など、睡眠について悩まされることが多いようです。
教えて!先生15「夜泣きに悩まされます」では、夜泣きの対処法についてお伝えしました。
子どもの睡眠は、脳の発達にともなって変化します。
寝ている間に脳のメンテナンスが行われているためです。
睡眠トラブルの原因を理解し、子どもの発達に寄り添った対応しましょう。
睡眠の半分が「浅い眠り」
生後3か月頃から2歳頃は、睡眠時間のうち半分が浅い眠り(=レム睡眠)です。
レム睡眠の間は脳が活発に働いていて、その日の経験や習得した情報を整理したり、記憶を定着させたりしています。
目が動いたり、ピクピクしたり、寝言を言ったりするのはこのレム睡眠の間で、夢を見ていることが多いようです。
大人にとってもレム睡眠の役割は同じですが、2歳頃までは発達とあいまって、寝つきが悪くなったり、夜中に起きて泣いてしまったりするのです。
- 生後3か月~4か月頃
この時期は「黄昏泣き」と呼ばれる夕方のぐずりが起きやすくなります。
感情が発達して「眠気=不快」と感じて泣きます。 - 生後7か月~8か月頃
「後追い」や「人見知り」をし始める時期。
感情や社会性が発達し、親と離れることへの不安から泣くようになります。
また、歯が生える前のむずむず感を不快と感じて泣くこともあります。 - 1歳頃
まとまった睡眠がとれるようになります。
その一方で、親と離れることへの不安や不快感が増したり、身体能力の発達によって脳が受けた多くの刺激を処理しきれないことが睡眠の乱れにつながることがあります。 - 1歳半頃
自立心が芽生え、イヤイヤ期に向かっていく時期。
寝ることを断固拒否したりして、布団に入る時間が乱れがちになります。 - 2歳頃
「怖さ」がわかってくる時期。
部屋の暗さや静けさを怖いと感じて寝付きにくくなります。
また、奥歯の生え始めのムズムズや、イヤイヤ期の本格的なスタートが睡眠に影響します。
夜泣きやぐずりは、発達が順調である証です。
いずれ治まることですから、心配しなくても大丈夫です。
睡眠時間の目安
2歳頃までは、夜の睡眠だけでは脳も身体も休めることができません。
昼寝は必ず取り、昼寝を含めて十分な睡眠時間を確保しましょう。
- 生後0か月〜3か月
14〜17時間 - 生後4か月〜生後11か月
12〜15時間 - 1歳〜2歳
11〜14時間
ただし、昼寝をし過ぎるとなかなか眠くならず、結果的に寝る時間が遅くなります。
夜9時に寝て、朝7時に起きるとすれば、睡眠時間は10時間確保できます。
これを補うくらいの時間にとどめましょう。
スマホは睡眠に悪影響
親がスマホに依存する傾向があると、子どもの睡眠・情緒・行動面への影響が出ることがわかっています。
また、夕方から寝る前までにスマホやタブレットを子どもに見せると、画面の光(ブルーライト)の刺激が体内時計を乱し、睡眠のリズムを崩してしまいます。
日本小児科学会も「スマホに子守をさせないで!」というメッセージを発信しています。
スマホに依存しがちな方は教えて!先生67「スマホが手放せない」を参考にしてください。
寝つきの悪さや夜泣きは、決して悪いことではありません。
むしろ、発達の証です。
昼寝のし過ぎや、スマホ・タブレットの見過ぎに注意しながら、十分な睡眠時間を確保しましょう。
3歳ごろからは、朝までぐっすり眠ってくれるようになりますよ。