教えて!先生56「五感を刺激すると良いの?」

「小さい頃に五感を刺激すると良い」

何となく聞いたことがあるような、わかっているような気がしますが、具体的にはどういうことなのでしょうか?

私たち幼児教育に携わる者は、五感の発達を重要視しています。
五感が発達すると以下のような力がつくからです。
 

  • アイデアがひらめく直感力
  • 危険を回避する能力
  • 相手の気持ちを思う力
  • 生きていく上で欠かせない情緒的な感情
 
パパやママが日々のコミュニケーションや遊びの中で、意識して接してあげることが大切です。

そこで今回は、0歳から3歳のお子さまと一緒に、親子できる五感刺激トレーニングをご紹介します。
 

赤ちゃんの五感はぼんやりしている

五感とは「視覚」「聴覚」「嗅覚」「味覚」「触覚」の5つの感覚の事です。
赤ちゃんは五感を持って生まれますが、どの感覚のぼんやりしたもので、外からの刺激を受けて発達します。

脳にはたくさんの回路(シナプス)があります。
情報と情報をつなぐシナプスが増えることで、言葉を覚えたり、複雑な動きができるようになります。

このシナプスが増える為に必要なのが「五感からの刺激」なのです。

脳の働きは知能だけではなく、身体づくりにも影響します。

人間の脳の大きさは、おおよそ3歳には成人の脳とかわらない大きさまで成長します。
つまり、0歳から3歳の間は、様々なチカラや要素のタネが急速に成長する時期で、この期間に良い刺激を受けることが脳にとって非常に大切なのです。
 
五感刺激

 

遊びや生活で実践できる「五感刺激トレーニング」

五感に対する刺激は、遊びや生活の中で実践できます。
特別なおもちゃや道具を準備する必要はありません。
親が楽しそうに遊んであげれば、子どもが自然にマネをします。
いくつか具体例をご紹介します。
 

新聞ぐしゃぐしゃ

新聞を破って、ぐしゃぐしゃと丸めて遊びます。
声をかけたり、大げさにリアクションしながら、以下のことを意識させるようにしてください。

  • 視覚
    新聞紙の形が変わっていく様子
  • 触覚
    紙の触り心地
    つかんだり、ぐしゃぐしゃにする感覚
  • 聴覚
    紙を握った時の音
    大人の楽しそうな声

 

散歩・自然の中での遊び

歩いたり遊んだりする中で、声をかけたり、触らせたりして、五感を刺激しましょう。

  • 視覚
    声をかけて周りにある物に目を向けさせる
    「きれいなお花だね」など形容詞を加えて伝える
  • 触覚
    土、木、草、生き物などに触れる
    泥団子作り、落ち葉アートなどオススメ
  • 聴覚
    語りかけながら歩く

 

食事

嗅覚・味覚に刺激を与えられる貴重な機会です。
ながら食べをせず、「かぼちゃだよ。甘くてホクホクだね」などと声をかけながら口に運びましょう。

日常生活の中で五感を意識した遊びや声かけを繰り返すことで、五感がどんどん刺激されます。
どんな遊びをしてあげたら良いか迷わなくなりますよ。

散歩

 
五感刺激トレーニングで最も大切なことは、パパ・ママが楽しみ、笑顔で接することです。
子どもたちは毎日、様々な刺激を受けて成長しています。
笑顔で見守りましょう。