◯づけ子育て24「夢を叶える『◯づけ目標設定』」

「◯づけ」とは
カウンセリングのエッセンスを利用して、親子関係をまるく円滑にする、新しいコミュニケーション法です。
EQWELチャイルドアカデミー5教室を運営するユニバーサルアカデミーの社長であり、ひげ先生と親しみを込めて呼ばれている田口圭二先生が編み出したものです。
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子どもに夢がないのは誰のせい?

お母さんからよくこんな相談を受けます。

「子どもに、将来何になりたいのか聞いても、わからないと言うんですよ。夢がないんですよね」

確かに、夢がないのはちょっと寂しいことですよね。
そこで、お母さんご自身の夢を聞いてみます。
すると「夢なんて、私は今さらないですよ・・・」というお答え。

その答えから、お子さんに夢がないことに妙に納得してしまうのでした・・・。

毎日、大変な「現実」と戦っている育児の時期。
お母さんお父さんが夢を持ちにくいのも大いに理解できますが、子どもは親の真似をして成長します。
昔から言われるように「親の背中を見て育つ」のです。

子どもに夢を持って欲しいと思うなら、まずお母さんお父さんが夢を持ちましょう。

夢といっても、壮大なものである必要はありません。
あれができたらいいな、あれが手に入ったらいいなというレベルで十分です。

いつかやりたいと思っていて忘れていたことはありませんか?
行ってみたい国や住んでみたい場所はありませんか?

どうしても思いつかないのであれば、小さい時の夢を思い出してみましょう。
好きな世界に夢中になっていたあの頃のワクワク、ドキドキする気持ちをを掘り起こすのです!

そして、そのワクワク、ドキドキする思いを子どもに語ってください。
その思いは子どもに伝染し、自然と夢を持つようになります。

夢は「現実」を導く指針になる

夢は目的地でもあります。
今、目の前にある現実をどういう方向に導いていくかの指針です。
旅行に行くときに、どこへ向かって飛ぶのか分からない飛行機には乗らないですよね?
夢を持たずに生きて行くことは、ある意味それと同じで危険なことです。

夢という目的地を持つだけで、生き方がガラリと変わることはよくあります。
例えば、大きな変化を遂げたあるお母さんの話をしましょう。

お母さん「最近、うつ気味で元気が出ません。どしたらいいでしょうか?」
私 「そうですか・・・。あっ、お母さん、話が変わりますが、夢は何ですか?」
お母さん「えっ、夢ですか?夢はないですねぇ・・・」
私 「夢はない・・・ですか・・・。小さい頃はどんな夢を持っていましたか?」
お母さん「子どもの頃は、ケーキ屋さんになりたかったですねぇ・・・」
私 「おぉ!どんなケーキ屋さんですか?」
お母さん「小さけれど、美味しいケーキ屋さんですね」
私 「小さくて美味しいケーキ屋さん、いいですねー。新しくお店をつくるんですか?」
お母さん「いいえ、うちを改造して一部をお店にしたいですね」
私 「家を改造してお店に!ショーケースがあってケーキが並んで・・・いいですねぇ。それでお店の名前は?」
お母さん「お店の名前は、“ママのケーキ屋さん”にしましょうかね(笑)」
私 「ママのケーキ屋さんですか!このお店は、いつオープンするんですか?」
お母さん「そうだなぁ〜、今年のクリスマスの前には・・・なんて(笑)」

夢について話すと、人は明るく前向きな気持ちになってきます。
最初は暗い表情だったお母さんも、徐々に笑顔になってきました。

この話には後日談があります。

実はそのお母さん、その年のクリスマス前にケーキ屋さんまでは行きませんが、クッキー屋さんを始めたのです。
そして、何と翌年には話していた「ママのケーキ屋さん」をオープンさせました!

うつ気味だったお母さんが、バリバリ起業して夢を叶えるのですから、すさまじい変化と言えるでしょう。
一体何があったのでしょうか?

ケーキ屋さん

夢を実現させる「◯づけ目標設定」

夢を実現するためには、いくつかのコツがあります。
カンタンに言うと、すべてを肯定しながら、未来を前向きに、かつ具体的に描いていくのですが、これらのコツや考え方をまとめて、私たちは「◯づけ目標設定」と呼んでいます。

この「◯づけ目標設定」を身につけると、なりたい自分に近づいていくので、考え方がどんどん前向きになります。
明るく、楽しい未来を描けるようになるため、努力も苦にならなくなっていきます。

「◯づけ目標設定」をやってみよう!

ここからは、そんな「◯づけ目標設定」を実際にやってみましょう!

注意事項に気をつけながら、1〜6の質問に答えてみてください。
夢・目標をあまりにも大きくし過ぎると、達成までに長期間かかってしまい、挫折の原因になります。
まずはあなたが少し頑張れば達成できるような夢・目標を設定し、少しずつ大きくしていくのがオススメです。

質問1
あなたが手に入れたい夢・目標は何ですか?

(例)2026年の10月24日までにパリに旅行して、セーヌ川のほとりを夫婦で散歩している。

※手に入れている状態をはっきりイメージできるものにしましょう。
※より具体的にしましょう。
※期限を決めましょう。10年後、5年後は長すぎます。長期的な目標を立てるときは、まず1年後の目標を設定しましょう。
※肯定的な文章で表現しましょう。「タバコをやめる」などは否定形の表現なので適切ではありません。
※自分が主体的に行動して手に入れることができるモノ・コトにしましょう。「子どもが一流大学に合格しています」はNGです。

質問2
夢・目標を達成したときのことを想像してみましょう

(例)セーヌ川を歩いていると、お土産屋のおじさんにフランス語で声をかけられます。「パリに来たんだな」と実感してドキドキします。

※1の目標を達成したときの状況をイメージしてみましょう。何が見えるか、何が聞こえるか、どんな感覚なのか、より具体的にイメージしましょう。
※現在進行形で表現しましょう。

質問3
夢・目標を手に入れるために、使えるものは何ですか?

(例)(パリ旅行するために)英語が少しできる、フランスに関する知識がある、地図を読むのがうまい、海外旅行の経験がないからこそ思い切り楽しむ など

※目標達成のために役に立つもの、あるいは必要なものを書き出しましょう。身体的なもの、心理的なもの、体験的なもの、人的なネットワーク、価値観など、何でも構いません。
※不得意なものも原動力となります。自分自身に「◯づけ」して、できるだけたくさん書き出しましょう。

質問4
あなたが夢・目標を手に入れたとき、周りの反応はいかがですか?

(例)「パリに行けてよかったね」と言われ、パリでの体験談を楽しそうに聞いてくれる。

※周りの人も一緒に喜んでくれる夢・目標にしましょう。例えば「紛争地帯へ行く」など、周りの人が喜んでくれない夢・目標は避けましょう。

質問5
あなたにとって「どうして(何のため)」その夢・目標を手に入れる必要性があるのでしょうか?

(例)パリに行くことで、海外に行ったことがないコンプレックスを克服して自信をつける。

※「パリにいる幸福感を感じたいから」など、ある欲求を満たすことを夢・目標達成の必要性にしてもよいのですが、より肯定的なモチベーションの方が、夢・目標が実現するスピードが上がります。「欲求が満たされることであなたがどう変わるのか」という視点を入れて考えてみましょう。

質問6
あなたは夢・目標を手に入れるために、今日から何をしますか?

(例)家に帰ったら旦那さんに話してみる。本屋に行ってパリの本を買う。

※実施に行動に移せるよう、必ずできる小さな一歩にしてください。何をやるかよりも、夢・目標を決めたその日からやることが肝心です。

セーヌ川

◯づけ子育ては今回が最終回です。
長らくご愛読いただきありがとうございました。
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私たちEQWELチャイルドアカデミーは、これからも子育てに向き合うみなさまを全力でサポートしています。
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