「◯時になったら宿題する」と約束したのに・・・
「食事の時間になったらお片付けをする」と約束したのに・・・
「ママがお話している間は静かにする」と約束したのに・・・
前もって子どもに「約束だよ」と言って「ハイ」と返事していたのに、
全く約束を守ってくれない・・・
「このままでは言うことを聞かない子になるかもしれない」
「他人に信用されなくなるのではないか」とご相談を受けることがあります。
ちょっと待ってください。
その「約束」、本当に「約束」ですか?
「約束」という名の「命令」
そもそも「約束」とは、「当事者の間で取り決めること」です。
しかし、親が子どもに対してする「約束」は、「約束」という名の「命令」になっていることが多いようです。
冒頭の3つの例を振り返ってみましょう。
「◯時になったら宿題する」
「食事の時間になったらお片付けをする」
「ママがお話している間は静かにする」
これらの約束は、お子さんと話し合って決めたことでしょうか?
お子さんの成長・発達・普段の生活を見て、守ることができそうな内容でしょうか?
子どもが納得できていないこと、または、子どもが守れそうにないことにもかかわらず、
「約束=命令」をお子さんが実行できないとき、「なんでこの子は約束が守れないの?」と腹を立てているのではないでしょうか。
「約束だよ」と言われたお子さんは、それができないことを親から指摘され、
「自分はできないんだ」「約束が守れないんだ」と自己嫌悪を繰り返し、自尊心や自己肯定感を失っていきます。
そして、ますます「約束が守れない」自分を作り出してしまうのです。
「できる約束」を積み重ねる
まずは、「必ず守れるくらい簡単な約束」をして、成功体験を積み重ねていきましょう。
そして、その約束は必ず当事者間(つまり親子)で話し合って決めてください。
例えば「食事の時間になったらお片付けをする」という約束の場合、全部を子ども一人で片付けるのはハードルが高すぎます。
では、内容をこのように変えてみてはいかがでしょう?
「時間になったらおもちゃを1個だけお片付けしてね。約束できる?」
ぐんとハードルが下がるので、守ることができると思います。
そうしたらすかさず
「約束を守ってくれたね。ありがとう。うれしいよ!」とほめます。
次は少しずつ「おもちゃ2個片付けて」などとハードルを上げ、レベルアップしていきます。
すると子どもは「自分は約束が守れるんだ」と自信を持ち、自尊心・自己肯定感を高めていくのです。
そして、「ゲーム性」を取り入れるのも良い方法です。
「◯時になったらお片付けしようね。10秒前!9、8・・・2、1、スタート!」
「◯分でお片付けしましょう。よーい、スタート!」
楽しみながら約束を実行し、できたら子どもと一緒に喜びます。
小さな成功体験の積み重ねが、子どもの成長を後押しするのです。