教えて!先生47「赤ちゃん返りっていつまで?」

下の子が生まれたら、上の子が赤ちゃん返りをしてしまったというご相談を受けます。

「赤ちゃん返り」は、2歳頃〜6歳頃の子どもが下の子どもの誕生や引っ越しなど環境の変化をきっかけに、以前できていたこと(着替え、靴を脱ぐ・履く、トイレでおしっこするなど)ができなくなったり、抱っこをせがんだりと、言動が今までに比べて幼くなることを言います。

また、「わがまま」や「反抗」が見られることもあります。

ただでさえ生まれたばかりの子で手一杯なのに、上の子まで手がかかるようになってしまったら大変ですよね。

そこで今回は、赤ちゃん返りを乗り越えるコツをお教えします。

 
赤ちゃん返り
  

親の関心・愛情を取り戻したがっている

上の子にとって、弟や妹の誕生はとても大きな環境の変化です。
これまで親の愛情は全て自分だけに向けられていたのに、生まれた子に関心が集中していることを敏感に感じ取っているのです。

幼ければ幼いほど、状況の理解が難しく、
「突然やってきた小さな物体に親を奪われた」
「小さな物体にばかり話しかけている」
「もう自分のことが嫌いになってしまったんだ」など、
寂しさ、孤独、絶望を感じているのです。

言動が幼くなるのは、関心を取り戻すため、
わがままを言ったり、反抗したりするのは、親の愛情を確かめるためなのです。

上の子は、以前のように「自分だけに愛情をたっぷりかけてほしい」と望んでいます。
そう望んでいる子を突き放したり、叱ったりするのは逆効果です。

上の子が話しかけてきたら、少しの時間でも手を止めて向き合い、子どもの目の高さに合わせて、笑顔で話を聞きましょう。

以前はできていた事ができない時は、むやみに叱らず、親子で競争するなどして、楽しく乗り切る工夫をしましょう。

下の子から手が離せる時には、上の子をしっかり抱きしめ、「◯◯ちゃん大好きだよ」などと言葉とスキンシップで愛情を伝えましょう。

こうすることで、お兄ちゃん・お姉ちゃんは、親の自分に対する愛情や関心をしっかり感じ取ることができるのです。

 
自己肯定感
 

お手伝いで自己肯定感を高める

下の子のお世話をする時は、積極的にお手伝いをさせましょう。
おむつを取ってもらったり、ミルクを一緒にあげたり、お布団をかけたりと、小さな子どもでもできることはたくさんあります。

そして、お手伝いができたら、少しオーバーに「すごいね!」「こんなこともできるんだ!」と褒めたり、「ありがとう」「助かったよ」と感謝の気持ちを伝えたりします。

また、一緒に子育てを経験しながら
「◯◯ちゃんが赤ちゃんの時も、こんなふうに大切に育ててきたんだよ」
「◯◯ちゃんが生まれて、お父さんもお母さんもとても嬉しかったんだよ」と上の子が赤ちゃんだった時のことを伝えます。

このような「プラスの言葉」をたくさんかけることで、自己肯定感が育まれます。
そうすると上の子の気持ちは満たされ、弟や妹を思いやることができるようになるのです。

 
お姉ちゃん

 
もしかしたら、親のほうが「お兄ちゃんなんだから」「お姉ちゃんなんだから」という固定概念を持っているのかもしれません。
そうであれば、その固定概念はなくして、できるだけ平等に愛情をかけてあげてください。
赤ちゃんのうちはどうしても手がかかるので、意識して上のお子さんを優先してあげると良いでしょう。

そうすれば、徐々に赤ちゃん返りすることがなくなり、頼りになるお兄ちゃん・お姉ちゃんに成長してくれますよ。