『魔の2歳』『悪魔の3歳』『天使の4歳』という言葉を聞いたことがありますか?
イヤイヤ期の2歳、さらにパワーアップする3歳に比べると、4歳になって落ち着くことから、このような言葉が生まれたようです。
ところが、「4歳なのに、かんしゃくがひどい」と困っている方がいらっしゃいます。
「天使の4歳」とはウソなのでしょうか!?
まずはかんしゃくを起こしてしまう理由を知って、その対処法を探っていきましょう。
かんしゃくは「納得できない!」のサイン
かんしゃくは、子どもの情緒の発達の過程で見られる感情処理の一つです。
「折り紙をきれいに折りたいのにぐちゃぐちゃになった」
「ごはんを上手に食べたいのにこぼしちゃった」
「友だちと遊びたいのにうまく伝えられなかった」
本当は一人でやりたかったことが思うようにできなくて、ショックだったり、悔しかったり、悲しかったり。
こんな気持ちをどう処理したらよいかわからないとき、「かんしゃく」という表現をしてしまうのです。
つまり、その背景には、「“一人で” できるようになりたい」「“ちゃんと” できるようになりたい」などといった子ども自身の意欲があるのです。
しかし、発達過程の子どもにとって、“一人で” “ちゃんと”することは難しく、昨日はできたことを、今日もスムーズにできるとは限りません。
『できた自分』と『できない自分』に挟まれて、困惑しているのは子ども自身なのです。
うまくできれば、子どもは自分の行動に納得できているので、かんしゃくを起こしません。
パターンをつかんで回避する
どんな時に子どもがかんしゃくを起こしやすいか、具体的なパターンをつかんで、回避策を探ってみましょう。
(例1)
洗濯物をたたむ時、大きいシャツをたたもうとしてかんしゃくを起こす
↓
(回避策)
「タオルとハンカチをお願いね」など、子どもでもたたみやすいものをまかせる
(例2)
夕食の支度で忙しいときに「遊ぼう」と言ってくる。
親はそれどころじゃないのであしらっていると、「遊んでほしい」とかんしゃくを起こす
↓
(回避策)
5分くらいでも時間がとれそうならいったん家事の手を止めて遊ぶ。
時間が取れないときは「ママはピーマン切るからね、◯◯ちゃんはピーマンの絵を描いてくれる?」などと家事と遊びを同時進行させる。
(例3)
ブランコに乗りたいのに誰かが乗っている。
乗りたいのに乗れないのでかんしゃくを起こす。
↓
(回避策)
順番を守ることは、みんなで気持ちよく過ごすための約束であることを日頃から話しておく。
そのようなテーマを扱った絵本を通して伝えるのもよい。
かんしゃくを起こす時や場所にも特徴があるかもしれません。
・登園前などの忙しい「時間帯」
・「お手伝い」をしたがっている時
・幼稚園や保育園など「子どもの社会」
やはり、“一人で” “ちゃんと”しようとするシーンです。
成功体験を積み重ねて、子どもを納得させてあげましょう。
対処法をマスターする
かんしゃくを起こしてしまったら、以下の対処法を試してみてください。
「○○したかったんだね」と気持ちを代弁する
だれかに言葉にしてもらえることで、子どもは気持ちの表現のしかたを学ぶチャンスを得ます。
また、子どもは自分の気持ちに耳を傾けてもらえたことがわかると、冷静になります。
落ち着くまで見守る
子どもは泣きながら気持ちを整えます。
収まりそうなら、しばらく背中をさすったり、優しく抱きしめたりしながら待ってみましょう。
ダメな理由を説明する
「ダメなこと」を求めているときは、「ダメな理由」を子どもがわかるように説明しましょう。
例えば、「ブランコは順番に乗るんだったよね?もう少し待ったら乗れるからね」など。
待っている間は、しりとりなど別の遊びで気持ちの切り替えをさせると良いですよ。
子どもはまだ成長過程です。
「できなくて当たり前」の姿勢を忘れずに。
そうすれば、少しでもできたこと、がんばれたことを認めることができます。
「こんなことも一人で出来るようになったんだね!頼もしいなぁ、助かるなぁ」
そんな声掛けができるように、親自身も成長します。
こんな言葉をたくさん掛けてもらえた子どもは、自立し、積極的な人へと成長していきます。
あんなに泣きじゃくってかんしゃくを起こしていたのが嘘のように、天使のような笑顔で友だちと仲よく遊び、お手伝いも上手にこなしてくれるようになっていくでしょう。