カウンセリングのエッセンスを利用して、親子関係をまるく円滑にする、新しいコミュニケーション法です。
EQWELチャイルドアカデミー5教室を運営するユニバーサルアカデミーの社長であり、ひげ先生と親しみを込めて呼ばれている田口圭二先生が編み出したものです。
(これまでの◯づけ子育てはこちら)
子どもは純粋です。
澄んだココロで世の中を見て、理想を追い求めます。
それゆえ、親にしてみれば突拍子もないことを言っているように感じることがあるでしょう。
例えば、子どもが「将来はスポーツ選手になりたい!」と言い出したらどうしますか?
小さいうちは微笑ましくても、大きくなってきたら心配になるかもしれません。
「そんな夢みたいなことばかり言ってないで勉強しなさい」と一蹴してしまうかも・・・。
子どもの甘い考えに対して一言言いたくなる気持ちは分かりますが、ここではグッとこらえて口を挟むのは止めましょう。
信念や価値観に関することを否定するのは人格否定と同じようなものなので、子どものココロを深く傷つけてしまいます。
「◯づけ」でひと呼吸おいて「そうなんだ」と受け止めましょう。
ちなみに、信念・価値観というと難しく聞こえてしまうかもしれませんが、実はとても身近なものを指しています。
次のように捉えてみてください。
- 信念とは─
その人が普段の生活の中で「そうである」と思っていること。 - 価値観とは─
その人が大切にしているモノ・コト・ヒトのこと。
親「(ひと呼吸)そうなんだ。サッカー選手になりたいんだ。どうしてサッカー選手になりたいの?」
子「サッカーをしているときが一番楽しいから」
親「へぇ、一番楽しいんだね!あ、そういえば、サッカーが上手くなるには頭脳プレーが必要なんじゃない?」
子「確かに頭脳プレーが出来るようになると、上手くなるね」
親「そうだね。もっと上手くなるかもね!じゃあ、勉強して頭も鍛えておいたほうがいいかもね!」
子どもたちの胸には、荒削りながら底知れぬパワーがいっぱい広がっています。
そのパワーをいい方向に導いてあげるのが親の役目ですが、それは小手先でしか使えない大人の知恵を伝授することではありません。
いろいろな経験をさせて、何度でも立ち上がる強さや成功のコツを、身をもって学ばせてあげる方が長い人生でずっと役に立ちます。
そのためには、子ども自身が好きなことに夢中になり、信じる道を歩んでいくことが必要です。
お母さんお父さんの理想や考えと違っても、子どもを信じて応援してあげてください。
親が子どもを強く信じれば、それが大きなチカラになります。
「ほら」や「また」は封印しよう
どんなに平気そうな顔をしていても、お母さんのココロの中は不安でいっぱい!
特に、初めてのお子さんを育てているときは、いつもバタバタでココロに余裕がなくなるものです。
「わたしは親として大丈夫かしら?」
「子育ては上手くいっているのかしら?」
小さなことで自分を責めては、一喜一憂してしまいます。
そんなときは肩の力を抜いてリラックス!
問題点ばかりを意識していると、だんだんと視野が狭くなってしまいます。
例えば、こんな心配性のお母さんがいました。
子どもが宿題をしていても、ご飯を食べていても、集中していないことが気になってしまいます。
「ほら、またよそ見をして。ちゃんと集中しなさい!」
ついつい小言が多く出てしまいます。
「・・・出かけてくる」
不機嫌な顔をして家を出て行ったその子が向かった先は、大好きな野球の練習場。
バットを取り出すと、真剣な表情で何時間も自主練を続けたのです。
そう、この子は集中力がないのではありません。
むしろ、好きなことに関しては抜群の集中力を発揮出来る子だったのです。
向上心がある人ほど問題意識を持つものですが、それにとらわれすぎると「例外」(=出来ている部分)を見つけられなくなってしまうことがあります。
それを表しているのが例にあった、「ほら」とか「また」というフレーズ。
「何度も言っているのに直らない」という強い否定のニュアンスが含まれていて子どもが萎縮する原因になります。
それだけでなく、親のコトバを何度も聞いているうちに「自分は集中力がないんだ」と思い込んでしまうこともあります。
食事や宿題の途中で別のことに気を取られてしまう子には、「ご飯(宿題)を終わらせてからやろうね」と、目の前にあることに関してだけ注意するようにしましょう。
子育ては、子どもの可能性を探して育てていく仕事です。
問題に思うことがあったとしても、「出来ている部分もある」と例外を見つけ、それを増やしていくイメージで子育てしていきましょう。
- 子どもの信念・価値観は絶対に否定しない
- 決めつけずに「例外」を探そう
次回は、問題点に直面した時に乗り越える方法をお教えします!