教えて!先生66「遊び食べはいつまで続く?」

離乳食を卒業する1歳頃から2歳くらいまで、
「遊び食べ」に悩んでいるパパ・ママが多いようです。

食べ物を手でぐじゃぐじゃにしてみたり、
口に入れたものを出してみたり、
立ち上がろうとしてみたり・・・

食べさせようと奮闘して1時間も経っていたら、うんざりしますよね。
これが1日3回、毎日続くかと思うと、イライラしてしまうのも当然です。
遊んでばかりで食べる量が少ないと、成長に影響してしまうかもと心配ですよね。

そこで今回は、「遊び食べ」の解決法についてお話します。

 
遊び食べ
  

食事はルールを学ぶ場

小さい子どもにとって食事は「冒険」です。
食材を手でつかんで感触を楽しんだり、口からわざと食べたものを出して味覚を確かめたりして、食べ物に興味津々なのです。

だからと言って、このような行動はマナー違反。
子どものペースに合わせすぎていては、いつまでも食事のマナーを教えることはできません。

食事は成長に必要な栄養を摂る場であると同時に、ルールを教える「しつけの場」なのです。

  • 時間が来たら席に着く
  • 配膳を手伝う
  • 全員席に着くまで静かに待つ
  • 「いただきます」を言ってから食べ始める
  • 茶碗を叩いたりせず静かに食べる
  • しゃべるときは口の中がからっぽになってからにする
  • お箸(スプーン・フォーク)のマナーを覚える
  • 食べ終わったら「ごちそうさまでした」を言う
  • 食べたお皿を下げる
 
食事を通して教えなくてはならないルールは、このようにたくさんあります。

遊び食べに悩んでいる方の中には、
「怒ってはいけない」と思って、子どもに振り回されている方が多いように感じます。

「怒る」のはイライラを一時的に収めるための感情の処理なので、子どもにぶつけてはいけません。
しかし、しつけには「叱る」ことが必要です。

叱るのは、子どもが正しい道からそれたとき。
叱ることで、子どもを正しい道に戻して、善悪の判断力を身につけさせるのです。

「怒る」と「叱る」の違いや「叱り方」については、以下のブログを参考にしてください。
>>教えて!先生36「上手な叱り方」

 
遊び食べ
 

食事「前」を見直す

お子さんのおなかは、食事の時に空いていますか?

小さな子どもの食欲は、キャンディー1個だけでも満たされてしまいます。
おやつを食べ過ぎたり、直前にお菓子を口にすることで、食事の時におなかが空いていないのかもしれません。
まずは、1日の間食の量やタイミングを見直しましょう。

また、運動も食事に影響します。
しっかり体を動かして、おなかを空かせましょう。

さらに、生活リズムも重要です。
日によって食事の時間がバラバラだと、体内時計が狂い、おなかを空かせるタイミングがわからなくなってしまいます。

「間食」「運動」「生活リズム」の3つを見直して、食事までの良い流れをつくりましょう。
 

食事「中」を見直す

食事中の環境は、子どもの集中力を左右します。
以下の3点を見直してください。

①片付ける
食卓におもちゃなど、子どもの気を引くようなものが置かれていませんか?
子どもの目に入る範囲のおもちゃや絵本も片付けましょう。
食事中はテレビも消してください。

②テーブル・椅子の高さ
テーブルが高すぎるとお皿の中がよく見えず、食べようとしても口に運べずにこぼしてしまいます。
椅子が高すぎると足が床に着かず、ぶらぶらして落ち着きません。
足の裏が床に着く高さ、もしくは、足置きがある椅子に座らせて、下半身を安定させましょう。

③親の態度
物を取りに行ったり、食事をさせながら洗濯物を干したりなど、親が頻繁に席を立っていませんか?
その行動は、子どもに「食事中に席を立つこと」を見せて学ばせていることになります。
可能な限り、「いただきます」から「ごちそうさま」までは席を立たず、子どもと一緒に食事をしてください。
また、食事中にスマホを見たり、新聞を読んだりするのも悪影響ですよ。
 
幼児 食事
 
「遊び食べ」は、しつけのチャンスです。
最初は叱ることが多くて大変かもしれませんが、叱られる原因になったことを明確にして、どのようにすれば良かったかを肯定的な言葉で伝えます。
そして、きちんと食べられた時には大げさに褒めましょう。
これを繰り返しているうちに、どこでも誰とでも、上手に楽しく食事ができるお子さんになりますよ♪

食事のマナー