こんにちは。EQWEL(イクウェル)チャイルドアカデミー大牟田・荒尾教室のひげ先生こと、田口圭二です。
先日、あるお母さんからこんな相談を受けました。
小学5年生の男の子です。
先日、授業参観に行きました。
算数の授業でした。
うちの息子にとっては、簡単な問題です。
解けているはずなのに手を挙げて発表しないし、先生から当てられても、もじもじして、小さい声でボソボソっと言うんです。
授業が終わって、鉛筆や教科書をカバンに入れるのも一番遅いんです。
もう、イライラしました。
宿題はいちいち言わないとしないし、朝も何度も何度も起こさないと起きてこないんです。
何か聞いても、自分の意見や考えを言うことがないんです。
自分から進んですることがないんです。
だから、いつも私が注意しないといけないし。
一体どうして、あんなになってしまったんでしょうか?
性格はおとなしくて、優しい子です。
学校の成績は、まあ、いつもトップクラスですが。
さあ、皆さんはどう思われますか?
なんともうらやましい話ですね。
「優しくて、勉強もトップクラス」
これ以上、子どもに何を望みます?
スーパーマンに育ってほしいのでしょうか?
そして、世界中の悪人をバッタバッタなぎたおし、地球と宇宙の平和を守るのかな?
いいですね!
想像しただけで、胸がスカッとします。
でも、子どもが自分自身で望んで、スーパーマンになったのですか?
それとも、お母さんがスーパーマンにさせたのですか?
お母さんは無意識のうちに、自分の子どもを「自分の思い通り」になるように、言葉がけをしているのではないでしょうか。
自分の考えを押し付けてはいませんか?
子どもにたくさんの指示を与えてはいませんか?
もう一度ゆっくり、振り返って思い出してみましょう。
「宿題をしないと、先生から怒られるよ」
「早く起きないと、遅刻しますよ」
「歯を磨かないと、虫歯になって痛い目にあうよ」
「友だちと仲良くしないと、嫌われるよ」
「風呂から上がったら早く服を着ないと、風邪ひくよ。病院に行くのイヤでしょう?」
「自分の物は、自分で片付けなさい。こんなところに置くと邪魔でしょう?」
「好き嫌いしないで、全部食べなさい。栄養が偏るでしょう?」
「テレビばっかり見ないで、少しは勉強しなさい。計算間違いが多いし、漢字のとめ・はねもいい加減に覚えてるでしょう?」
以上の言葉は“誰”の考え・意見なんでしょう?
そうです。
“お母さん”の考えで、“お母さん”の意見なんです。
お母さんが問題を出し、お母さんが答えています。
子どもの考え・意見はどこにあるのでしょうか?
これでは、子どもは自分で考える必要がないし、もしあったとしても、自分の意見を言えるような隙間もありません。
なぜなら、答えはもうすでに、お母さんが言ってしまっています。
そうしておいて、「子どもが自分の意見を言わない。自主性がない」と言われたら、子どもはかわいそうです。
子どもはお母さんの所有物ではありません。
5歳だろうが、10歳だろうが、たとえ1歳だろうが、一個の人間です。
人間としての意見はあります。
しっかりと耳を傾け、聞いてあげましょう。