忙しくて手が離せない時、スマホやタブレットを持たせておくと、子どもはおとなしくしてくれますよね。
ただ、小さいうちからスマホを見せても良いのか、迷っている方もいるかもしれません。
0歳〜1歳の子どもの育児とスマホの関係については、教えて!先生67「スマホが手放せない」でお話ししました。
今回は、未就学児のスマホ習慣について考えてみたいと思います。
習慣化が体の発達に影響
「片足立ちができない」「しゃがめない」「バンザイができない」「まっすぐ走れない」など、子どもの運動器機能異常(子どもロコモ)が深刻化しています。
これには、「スマホ」や「ゲーム」が大きく関わっていると言われています。
子どもは色々な運動を経験することで、体の使い方を学びます。
スマホを長時間使うことが習慣化してしまうと、外遊びなど体を動かす機会が減り、体の使い方を十分学べないまま成長してしまいます。
また、長時間同じ姿勢でいることから、肩こりや腰痛に悩む子どもが増えています。
前傾姿勢による顎の突きだし、猫背、巻き肩、骨盤の後傾などが主な原因です。
さらに、学校で骨折する子どもの割合が40年前の2倍以上に増えているというデータもあります。
太陽を浴びる時間が減って、骨の維持に必要なビタミンDを十分に体内で合成できていない可能性が指摘されています。
ゲームを始めるのは小学生になってからが多いようですが、小さい子どもでも遊べるアプリがあったり、動画を視聴したりと、未就学児にとってもスマホは身近な存在です。
ただ、長時間使うことが習慣化してしまうと、体の発達に影響を及ぼしかねません。
時間を決めるなど、親がうまくコントロールしながらスマホやタブレットを使わせるようにしましょう。
子どもロコモのチェックを
母子健康手帳の月齢・年齢ごとの記録欄にある「運動に関する項目」を参考にして、年相応の体の使い方ができているかチェックしてみましょう。
以下は抜粋です。
- 2歳
走ることができるか - 3歳
手を使わずにひとりで階段をのぼれるか - 4歳
階段の2,3段目の高さから飛び降りるようなことをするか - 5歳
でんぐり返しができるか - 6歳
片足で5~10秒立っていられるか
もし、できないことがあれば、生活習慣を見直す必要があるでしょう。
日常生活の中で見直しを
子どもロコモの心配がある場合、まずは「座る姿勢」を見直してみましょう。
ポイントは腰骨を立てること。
椅子は、足裏が床にしっかり付く高さのものを選びます。
成長に合わせて高さが変えられる椅子は、今の体の大きさに合っているか見直しましょう。
おしりをぐっと後ろに引き、背筋をピンと伸ばします。
腰骨を前に出して、肩の力を抜くよう促します。
正しい座り方を実践することで、体に負担をかけることなく楽に座り続けることができます。
前屈みの姿勢による内臓への圧迫が軽減され、健康面にも良い影響があらわれます。
また、血流が良くなることで、学習時の集中力も持続しやすくなります。
外遊びも子どもの運動機能の発達には欠かせません。
ただ、平日は忙しくて、毎日外遊びに連れて出るのは難しいかもしれません。
そこで、日常生活の中で体を動かす場面を意識して増やしましょう。
- 階段を使う
脚力がつく
重心移動が上手になる - 高い位置のボタンを押したり物を取らせたりする
背筋が伸びる
肩甲骨の可動域が広がる - 自分の荷物を持たせる
バランスのとり方が上手になる - 風呂洗いなどのお手伝いをさせる
腕や足腰の筋肉が鍛えられる
生活の中で体を動かす経験を積むことで、子どもは自ら体の使い方を学び、運動能力を高めていきます。
幼児期に運動機能が発達すると、小学校入学以降に集中力・判断力などが上がり、学習効果も高まります。
スマホとの付き合い方を見直すことは、子どもの健全な発達につながります。
生活習慣を少しずつでも改善していくと、子どもロコモの心配もなくなります。
小さなうちは親がうまくコントロールをして、スマホやゲームはほどほどに。
体を動かす遊びで楽しみましょう!