教えて!先生68「子どものすごい記憶力を維持する もう1つの方法」

コマーシャルのフレーズを覚えてしまったり、
アニメの歌をいつの間にか完璧に歌えるようになっていたり・・・

子どものすごい記憶力を維持する方法として、
以前のブログで「暗唱」をご紹介しました。
>>教えて!先生65「子どものすごい記憶力は維持できる?」

子どもは、見たものや聞いたものをそのまま“丸ごと”記憶します。
「なんだか楽しそう」と感じたものを、スポンジが水をぐいぐい吸い込むように記憶するのです。

子どもの脳は、豊かな刺激を受けながら神経回路を発達させる一方で、あまり使わない回路については「必要なし」と判断し削除してしまいます。
そうすることで、よく使う回路をさらに充実・強化させていくのです。

しかし、幼児期により多くの回路を使っておくと、必要ない回路が無い、つまり、脳の可能性を最大限に広げることができるのです。

より多くの回路を使う方法、つまりすごい記憶力を維持するもう1つの方法が「フラッシュカード」です。
 

1秒間に2枚のスピード感

フラッシュカードとは、絵(イメージ)と言葉(文字)をセットにして見せる知育ツールです。
脳に質のよい刺激を与える上で効果的な速さは、1秒間に2枚と言われています。

フラッシュカードのスピード感は、ぜひ動画でお確かめください。
 


 
フラッシュカードは、瞬間的に記憶していく力を身につけます。
フラッシュカードの見せ方は脳の発達=年齢に応じて変化しますが、幼い時期は内容の理解を求めず、ただ見せるだけで構いません。

EQWELチャイルドアカデミーでは、生後6か月ごろからレッスンにフラッシュカードを取り入れています。

【絵や写真】が載ったカードを見せながら、その【文字】を見せたり、その【音】を聞かせたり言わせたりすることで、視覚・聴覚を同時に刺激します。
 

例:「りんご」のフラッシュカード
  1. 0歳~1歳
    「りんご」の【絵】+「りんご」の【音】を聞かせる
  2. 0歳~6歳
    「りんご」の【絵】→「りんご」の【文字】の順(またはその逆)で見せながら、「りんご」の【音】を聞かせる
  3. 3歳~6歳
    「りんご」の【絵】→「りんご」の【文字】の順(またはその逆)で見せながら、「りんご」の【音】を聞かせて、そのあと言わせる
  4. 5歳~6歳
    「りんご」の【絵】→「りんご」の【文字】の順(またはその逆)で見せながら、「りんご」と言わせる
 
言葉がまだ出ないうちから始めても効果が無いのでは?と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
0歳〜1歳頃のフラッシュカードは、視覚と聴覚を刺激することが目的だからです。

言葉が出るようになってきたら、少しずつ真似をして言わせる、さらには言うスピードを上げるなど、少しずつ変化させていきます。
(フラッシュカードのコツについては、次回のブログで説明します)
 


 

フラッシュカードで記憶力が高まる理由

EQWELチャイルドアカデミーでは、4つの目的でフラッシュカードを積極的に取り入れています。
 

フラッシュカードの目的
  1. 脳を育てる
    脳細胞は刺激を受けて発達する。すばやく大量にインプット(見せる)することで脳が活性化する。
  2. 視覚と聴覚をつなぐ
    目でみた映像の名前を耳から聞くので視覚と聴覚が連動して働く。
  3. 瞬間記憶を育てる
    素早くカードが変わっていくので、脳は全体を写真のように撮って取り込む。一度見聞きしたものを瞬時に記憶する能力が育つ。
  4. 語彙力が増える
    1レッスン数百枚のカードを見せるので語彙力が高まる。身近にないものや抽象的な言葉もインプットできる。知識が豊富になる。
 
テレビ番組などで、天才キッズが「瞬間記憶」や「フラッシュ暗算」などをしている場面を見たことはありませんか?
実は、これらは子どもの好奇心をくすぐって、自然と学習に気持ちを向ける仕組みになっています。
そういった意味では「フラッシュカード」も同じ効果があります。

1秒間で平均2枚をめくっていくスピード感に、子どもは飽きることなく、ほどよく集中しながら、見た情報をまるごと取り込んで記憶力を高めていくのです。
 


 

フラッシュカードは知識の「種まき」

フラッシュカードで扱うジャンルは様々で、特に制限はありません。
フラッシュカードで目にする言葉は、いつか子どもたちが実際に出会ったり、体験したりする言葉たちです。

たとえば、「ぞう」。
フラッシュカードで見覚えのある「ぞう」が動物園で実際に歩いているのに出会えたとき、子どもの脳の中で情報が結びつきます。
ぞうの「大きさ」「鳴き声」「匂い」などに触れて、五感をフルに使って知識が定着していきます。

特に0歳~1歳は、脳の神経回路が急激に育つ時期です。
あまり使わない回路は削除され、よく使う回路を強化していきます。

この時期にフラッシュカードをただ「読みながらめくって見せる」だけで、より多くの神経回路が質のよい刺激を受け続けることができるので、脳が爆発的に発達します。

知識のインプットをフラッシュカードだけに頼るのではなく、あくまでもフラッシュカードは知識の種まきだと思ってください。
いろんなカードを見せる中で興味を持ったものがあったら、実際に見に行ったり、実物に触れることで、子どもの中に眠っていた種が芽となり、花となるのです。

次回は、フラッシュカードを親子で楽しむコツについてお話します。