教えて!先生115「赤ちゃんと歌の効果」

赤ちゃんは生後5か月〜6か月ごろから、音楽に合わせて体を揺らすなど反応し始めます。

それまでは無反応なので音楽が聞こえていないように思えますが、実は、妊娠8か月ごろからお母さんのおなかの外の音まで聞こえていると言われています。
つまり、耳は生まれる前から発達しているのです。

音楽に反応しない乳児期の赤ちゃんにも、ちゃんと聞こえています。
そして、歌を聞かせることは知育的に効果があると言われています。

では、歌からどんな効果が得られるのでしょうか?

語彙が増える

子ども向けの歌は、楽しいメロディーに合わせて、言葉(=歌詞)がハッキリと聞こえます。
赤ちゃんは歌詞から語彙(ボキャブラリー)を獲得するのです。

生まれてから3歳までの言葉がけが[多い家庭]と[少ない家庭]では、なんと3,000万語もの差が生まれることがわかっています。
この言葉がけとは、単に「語りかける言葉」だけではありません。
パパ・ママが歌って聴かせる「歌詞」も、十分にその役目を果たします。

そして、赤ちゃんのうちにどれだけ多くの言葉に触れたかが、3歳時点のIQや、将来の学力などに影響を与えることもわかっています。

聞かせる歌は「童謡」がオススメです。
童謡には、日本人ならではの心に響く言葉が多く含まれています。
感性が豊かな歌詞にたくさん触れることで、美しい言葉を獲得していきます。

また、童謡は海外でも「音楽性が高い」と認められていて、アルファ波に近い、赤ちゃんが安心するメロディーが多いと言われています。
だから聞いているだけで、穏やかな気持ちになれるんですね。

赤ちゃんをやさしく抱っこしながら、子守唄のように歌ってあげましょう。
 
子守唄
 

記憶力が育つ

この時期の子どもは、乾いたスポンジが水を吸いとるように、見聞きしたものをどんどん吸収していきます。

特に、子ども向けの歌は楽しいメロディーが心に響きやすく、長く記憶として定着していきます。

子どもの頃に歌っていた「童謡」や「アニメソング」「子供番組の歌」の歌詞をよく覚えているなぁと思うことはありませんか?
歌がより記憶に残りやすいということが実感できるのではないでしょうか?
 
子どもの歌
 

プレゼン力がつく

言葉が出るようになると、子どもは自分なりに歌い始めます。
そのときはプレゼン力(発表力)をつけるチャンスです!

うまくできたかどうかは二の次。
パパやママ、おじいちゃん・おばあちゃんの前で楽しそうに歌ったり踊ったりできたら、たっぷり褒めてあげましょう。

「褒められた」という成功体験が、人前で物怖じせず発表する力を育てていきます。
 
プレゼン力
 

五感をフル活用

歌詞や挿絵があれば、絵本をながめるような感覚で、歌って聴かせると効果的です。

さくらさくら

このような歌詞と絵を見せながら「さくらさくら」を歌って聞かせると、
「さくら」という文字と「桜の絵」は赤ちゃんの【視覚】を、歌声は【聴覚】を刺激します。

そして、赤ちゃんが実際の「桜」を目にした時、歌の記憶と目の前の桜が結びつきます。
春の香りは【嗅覚】を、花びらの感触は【触覚】を刺激します。

赤ちゃんは五感をフル活用して、「桜」を覚えていくのです。
 
赤ちゃんと桜
 
子どもは歌が大好きです。
赤ちゃんのうちから「歌」をたくさん聞かせてあげましょう。
子どもは感性豊かにのびのびと育っていきますよ。