◯づけ子育て3「親は出来るだけジャッジしない」

「◯づけ」とは
カウンセリングのエッセンスを利用して、親子関係をまるく円滑にする、新しいコミュニケーション法です。
EQWELチャイルドアカデミー5教室を運営するユニバーサルアカデミーの社長であり、ひげ先生と親しみを込めて呼ばれている田口圭二先生が編み出したものです。
(これまでの◯づけ子育てはこちら
 
もう一つ、「◯づけ」での子育てにおいて大切なことがあります。
それは、子どもとコミュニケーションを取るとき、子どもの考えや意見に対して、親は出来る限りジャッジをしないようにすることです。
「ジャッジ」とは判断するという意味ですね。

もう一度、前回ご紹介した例文を見てみましょう。
 

◯づけナシ
子「ねぇお母さん、グローブ買って」
親「ダメよ、こないだ買ったばかりでしょ」
子「もうずいぶん前じゃん。ボロボロなんだよ」
親「手入れしてないんでしょ?モノを大切にしないんだから」
子「えー。みんな新しいの買ってもらってるのに・・・」

◯づけアリ
子「ねえお母さん、グローブ買って」
親「そっかぁ、グローブが欲しいんだね。おととし買ったのは、もう使えないの?」
子「2年練習しまくったから、ボロボロになっちゃったんだよ」
親「へぇ!ボロボロになるほど練習したんだね。手入れはしていたの?」
子「うん、毎日磨いてるもん。大切にしてるよ」
親「そう!そんなに大切にしてもらえたなら、グローブもきっと喜んでるね。じゃあ新しいのを買おっか。また大切にしてね」
子「やったー。お母さんありがとう。大切にする!」

 
この例文で言えば、グローブを買うかどうかはお金を払う大人がジャッジすべきですが、本当にグローブが必要なのかどうかは、子ども自身が考えるべき問題です。
「みんなは買ってもらっているのに」では済まされない、きちんとした理由が必要です。
子ども自身でその理由を考え、コトバに出来るようになってもらいたいですよね!

自分で考えられる子にしたいなら、子どもの問題に口を挟むのは出来る限り止めましょう。
親が意見すると、それが絶対的な正解になるため、子どもは親の意見を待って自ら考えなくなってしまいます。

意見を言うのではなく、これからは、「◯づけ」を使って子どものコトバをたくさん引き出してみましょう。

「◯づけ」の3ステップで出てきた、3番目の「質問」がここでのキーポイント!
 

「◯づけ」は3ステップ
  1. 相づちを打って子どもの話を受け止める
  2. 子どもが話の中で使ったコトバを繰り返す
  3. 優しく質問をしてさらに子どもの話を聞き出す
 
子どもの考えを掘り下げたり、広げたり、導いてあげられるようにいろいろな質問をしましょう。
質問の数だけ子どもの思考力が養われて、そのうちに自分で正しい答えに辿りつけるようになります。
 

野球少年
 

非言語のコミュニケーション

 
「◯づけ」の3ステップを意識してコトバを変えるだけでも、親子の会話や関係性はガラリと変わります。
それほど、コトバには大きな力があるのです。

そんなコトバ以上に影響力があるものとして、表情や声のトーン、話すスピード、目線や身体の動きなどから伝わってくる、言語化されない情報があります。

例えば、次のようなコトバを例に考えてみましょう。

「愛してるよ」

ステキな愛のコトバですが、こちらを見ずにスマホをいじりながら、淡々とした口調で言われるのと、じっと見つめられながら落ち着いた声色で言われるのでは、全く違う印象を受けると思います。

「バカじゃない?」

こんな表現もわかりやすい例です。
イチャイチャしているカップルの会話なのか、ケンカをしているカップルの会話なのか、同じコトバなのに、状況によって全く意味合いが変わってきます。

このように、私たちは会話をしているとき、コトバだけでなくいろいろな情報を受け取っています。
ときには、コトバ以上にコトバ以外の要素(非言語)が大きな意味を持つこともあります。

親子のコミュニケーションを見直すときも、この非言語要素はとても大事です。

といっても、自分がどのような非言語要素を使っているのか気づいていない人がほとんどです。
また、非言語要素は感じ取るものですので、注意していないと見落としてしまうこともあります。

目の前にいる我が子としっかり向き合って、表情や手や身体の動き、仕草などをよく見てみましょう。
声のトーンや大きさをよく聞いてみましょう。

そうすれば子どものココロを感じることが出来ます。

観察上手は、子育て上手です。
 

今日の◯づけポイント
  • 子どもの考えや意見に対して、親は出来る限りジャッジをしない
  • 親が意見すると、子どもは親の意見を待って自ら考えなくなってしまう
  • 質問の数だけ子どもの思考力が養われ、自分で正しい答えに辿りつけるようになる
  • 子どもの非言語要素(表情・手・身体の動きや仕草、声のトーン・大きさ)をよく観察する

 
次回は、「親子関係」について、もっと深堀りしてお話します。