「子どもが幼稚園(保育園)でお友だちにケガをさせてしまった・・・!」
親として、最も慌てる場面のひとつではないでしょうか。
幼い子どもは、感情が高ぶった時「叩く」「かみつく」「ひっかく」などの行動に出ることがあります。
「お友だちにケガをさせてしまったらどうしよう」
「うちの子は情緒不安定なのでは?」
「仲間はずれにされてしまうのでは?」
など、心配は尽きないと思います。
子どもは、自分の気持ちを上手に伝えることができません。
トラブルが起きた時、一番困っているのは子ども自身なのです。
このようなトラブルは、「言葉」「コミュニケーション能力」「自己コントロール力」を身に付けさせることで、ほとんどが解決できます。
日頃から実践してみましょう。
「言葉での伝え方」を教える
子どもが力に訴えるときは、自分の気持ちをうまく言葉で説明できない背景があることを理解しましょう。
日頃から、子どもの行動を意識して言葉に変換して聞かせ、「言葉での伝え方」を教えます。
例えば、子どもがおもちゃで遊んでいて、片づけさせようとして嫌がった時は、
「まだ遊びたかったね。楽しかったもんね」と、いまの感情を言葉にして伝えます。
これを繰り返すうちに、子どもが少しずつ気持ちを言葉で表現することができるようになります。
少しでも自分の気持ちを伝えられたら、
「◯◯ちゃんが上手にお話ししてくれるから、◯◯ちゃんの気持ちがよくわかったよ。教えてくれてありがとう」と言葉で伝えられた成功体験をたくさん味わわせ、自信を持たせます。
「自分はちゃんと気持ちを伝えることができるんだ」と自信が持てるようになった子どもは、少しずつ力に訴えることが減っていきます。
「社会のルール」を教える
日頃から「社会のルール」について、説明しておくことも大切です。
ルールはみんなが気持ちよく過ごすためのマナーだと教えることで、子どもに自己コントロール力、思いやりの心、思考力などが育ちます。
このように伝えると、小さい子にもわかりやすいと思います。
- 相手の顔を見て元気よくあいさつすると気持ちいいね
- 靴を脱いだらそろえると、玄関がきれいだね
- 使ったものは元に戻すと、次に使う人がすぐに使えるね
- ブランコに乗りたいけどお友だちが使っているときは、順番を待とうね
- おもちゃをお友だちも使いたそうにしている時は、独り占めせずに「一緒に遊ぼう」と誘ってあげようね
- 何かされていやな時は、「いや」と伝えていいんだよ
ルールを守らなくてはいけない理由
相手がどんな気持ちになるか
自分のしたことが他人に喜ばれること
そんなことを知ることで、子どもはグンと成長します。
トラブルが起きても冷静に
子どもは少しずつ成長するものです。
言葉の伝え方や社会のルールを教えても、すぐにできるようになるわけではありません。
子どもがトラブルを起こしてしまったとしても、「叩いちゃダメって言ったでしょ!何度言えばわかるの!」などと、いきなり子どもを責めてはいけません。
冷静に状況を確認しましょう。
その時の状況を幼稚園や保育園の先生、子ども、可能であれば相手にも聞きます。
そして、子どもの気持ちを推測して、言葉にしてみます。
「◯◯だったのかな?」
「◯◯だったんだね」
「◯◯って言いたかったんだね」
子どもが少し落ち着いたら、相手の気持ちを想像させます。
「△△ちゃんは叩かれて嬉しかったかな?それともイヤだったかな?」
トラブルを起こした時、子ども自身も動揺しています。
そんな時は、「どう思ったかな?」という抽象的な質問よりも、具体的な「嬉しい」「イヤ」などの感情表現の方が子どもは答えやすいのです。
かなり落ち着いてきたら、お友だちと仲良く過ごしてほしいという親の気持ちを伝えます。
「◯◯ちゃんは、ママの荷物持ってくれたりして優しいよね。
そんな優しい◯◯ちゃんが△△ちゃんとなかよく遊んでくれたら、ママは嬉しいな」
「今日はうまく言えなかったけれど、今度は『◯◯・・・』って言ってみようね」と、次の対処のしかたを確認しておくと、同じトラブルを繰り返さなくなります。
自己肯定感を高める「うまくここちよく」
子どもがかんしゃくを起こすのは、もしかしたら自己肯定感が育っていないからかもしれません。
EQWELチャイルドアカデミーでは、自己肯定感を高めるコツ楽しい子育て8か条をお伝えして、子育てのサポートをしています。
出産時には子どもの誕生を、自然に感謝できたことと思います。その初心に返ることで、今の子どもの姿も丸ごと受け止められるようになります。
ま:毎日の変化と成長を楽しむ
子どもは日々急激に変化し、成長しています。その過程で目についたことを叱るのではなく、ゆったりと子どもを見守り、成長を楽しみましょう。
く:比べない
他人と比較してほめられても、ほめられなかったとしても、子どもは自己肯定できません。もし比べるのなら、その子自身の昔と今を比較しましょう。
こ:心と体と脳をバランスよく育てる
心だけ、体だけ、頭だけを育てるのは不可能です。すべてはつながっています。これらをバランスよく育てると、将来的には伸びしろが広がります。
こ:子どもの未来を明確にイメージする
子育てで大切なことは、未来をしっかりとイメージすることです。子どもの「今」の姿は途中経過であると考え、将来に希望を持って育てましょう。
ち:ちょうどよい加減に関わる
過干渉でも、関わらなさすぎでも、子育てはうまくいきません。自分でかたよっているかなと感じたら、ちょうどよい加減を目指しましょう。
よ:良いところをいつもさがす
子どもの良いところがみつかれば、ほめたくなりますし、叱らなくても済みます。そこに目を向け続ければ、子どもの自己肯定感が高くなります。
く:繰り返し愛を伝える
愛情を伝えるには、タイミングや伝え方などが重要です。一度だけでは伝わるものではないので、毎日繰り返し子どもに伝えるようにしましょう。
日頃から親が子どもに愛情をしっかり伝え、寄り添いましょう。
子どもの思いや言いたいことに共感する中で、自己コントロール力がついていきます。
そうすればお友だちと仲良く過ごせるし、伝えたいこともうまく伝えられるようになります。
だから、心配しなくても大丈夫ですよ(^^)