赤ちゃんは一歩ずつ、階段を上るように成長します。
ハイハイは「身体」と「脳」に重要なはたらきをもたらすことをご存知でしょうか?
生後9か月ごろまでは立つ練習よりも、少しでも多くハイハイをさせるようにしましょう。
運動機能を発達させる
ハイハイは、「体幹」を鍛えます。
体幹とは頭と手足を除く、お腹の部分の事で、身体の中心となる部分です。
体幹が弱いと転倒しやすかったり、姿勢を保って座っている事が難しくなります。
ハイハイをする時は、床を押し蹴るように進むので、足の指に力が入ります。
足指の筋肉が弱いと、バランスがとれず転倒することが増えます。
足指の筋肉がしっかりしていると、体勢が崩れた時、とっさに立て直すことができます。
ハイハイは「バランス感覚」と「反射神経の基礎」を作っているのです。
また、ハイハイは「協応動作の基礎」も作ります。
協応動作とは、目と手、手と足など2つの力を同時に使うことです。
ハイハイをすることで、協応動作がうまくできるようになるのです。
協応動作が上手にできると、転倒しそうな時に危険を察知して手を出すなど、危機回避能力が鍛えられます。
近年、「跳び箱に強く手をついただけで手首を骨折する」「マット運動を少しやっただけで首を痛める」「転んだ時に手が出ずに顔面を強打する」など、子どものロコモ(ロコモティブシンドローム=運動機能の低下) が問題になっています。
赤ちゃんの頃からの適切な発達を促すことは、このような運動機能低下の予防となります。
口腔の発達を促す
ハイハイをしている時、舌は上あごに接している状態になります。
舌の位置は、将来の歯並びに影響します。
また、鼻で呼吸する習慣にもつながります。
脳を活性化させる
手足を使ってハイハイをすると脳に流入する血流量が増え、脳神経細胞のシナプス(枝のようなもの)が増えます。
つまり、脳が発達するのです。
また、気になる物や触りたい物に自分の力で近づけるので、好奇心が満たされます。
さらに、色々な場所へ自分で行けるようになって一気に行動範囲が広がり、赤ちゃんはより多くの刺激を受けます。
好奇心や行動範囲の広がりは、脳や精神的な発達に繋がるのです。
人間の脳の大きさは、おおよそ3歳には成人の脳とかわらない大きさまで成長します。
つまり、0歳から3歳の間は、様々なチカラや要素のタネが急速に成長する時期で、この期間、良い刺激を与えることが脳にとって非常に大切なのです。
時期が来れば、赤ちゃんは自然に歩くようになります。
おおらかな気持ちで、その日を待ちましょう。