教えて!先生39「時計がよめない」

一般的に、3歳くらいから時間の概念が理解できるようになります。
時計がよめるようになるには、様々な時間の概念を、段階を踏んで理解していかなければいけません。

「時計に興味を示さない」「教えてもなかなか覚えない」など、
このままでは時間がわからない子に育ってしまうのではないかと焦る気持ちは十分理解できます。

まずは、子どもがどんな段階を踏んで時間の概念を学んでいくかをご紹介します。

 
時計
 

「時間がわかる」=「時計がよめる」ではない

「時間がわかる」とは、単に「時計が読める」というわけではありません。

「さっき」「昨日」「先週」「先月」は【過去】、
「あとで」「明日」「来週」「来月」は【未来】を示す言葉ですね。

まずは、これらの時間を表す言葉が、日常会話の中で正しく理解できているかを確かめてみましょう。

「お友だちと明日会おうね」
「お友だちと来週会おうね」

この違いが認識できていますか?

認識できていない場合は、毎日のように「今日会える?」と尋ねてきます。
注意深く観察しましょう。
 
今日会える?
 

時間を表す言葉を意識して使う

まだ時間の概念が認識できていない場合は、子どもとの会話の中で時間を表す言葉を意識して使います。

「さっきおばあちゃんと電話したね」
「あとで◯◯ちゃんと遊ぼうね」
「明日は遠足だね」
「先月はお花見をしたね」など。

また、子どもが「さっきお買い物に行こうよ」のように、間違った使い方をしたときは、
「さっきじゃないでしょ!あとででしょ!」と注意するのではなく、
「そうだね、あとで(ほんの少~しだけゆっくり)お買い物に行こうね」と、正しい言い方をさらりと伝えます。

このとき、笑顔が必須です。

「ああ、この子は時間を意識した表現をしようとしているな」と、成長している過程を評価してください。
そうすると、言い間違いは「できないこと」ではなく、「正しく言えるための階段を昇っている成長の証」となり、励みになります。
 
時計の練習
 

時計のよみは子どもが好きな時間から

「さっき」「あとで」「昨日」「明日」など、時間を表す言葉が上手に使えるようになったら、いよいよ時計のよみの練習です。
まずは、子どもが楽しみにしている時間から教えます。

「8時に幼稚園に出発だね」
「3時になったらおやつだね」
「6時に晩ごはんを食べようね」など。

1時、2時、3時・・・など、ちょうどの時刻ができたら、次は30分刻み→15分刻み→10分刻み→5分刻み→1分刻みと、段階的に進めます。

子どもが自由に触ることができる時計があると良いでしょう。
語りかけながら、その時間を時計で作って見せます。
子どもが作りたがったら、一緒にやってみます。

もし、おもちゃの時計に興味を示さない場合は、本物の時計を与えてみましょう。
お母さん手作りの時計のフラッシュカードなどもオススメです。

日付の概念はカレンダーで、5とび遊び(5、10、15、、、)や10とびあそび(10、20、30、、、)は5円玉や10円玉を使います。

「時間の概念の理解」と「時計のよみ」、この両方を就学前までに身につけておくのが理想です。
時間の概念が育ち、時計がよめるようになると、自己コントロール力も育っていきます。

「◯時まで遊んだら終わりだよ」
「◯時になったら帰ろうね」など、約束が少しずつ守れるようになります。

お散歩
 
生活の中には、時間の概念を育てるチャンスがたくさん転がっています。
そのチャンスをゲーム感覚で繰り返し活用していくと、いつのまにか時間の概念を身につけることができます。

「あ、8時!バスが来るよ。急いで!!」などと言われる日が来るかもしれませんよ♪