いよいよ新年度がスタートしました。
新しい出会いが多い中、「わが子があいさつをしない」と心配しているパパさん・ママさんがいるかもしれません。
「5歳くらいになれば、あいさつなんてできて当たり前」
「あいさつができないと、しつけをしていないように思われてしまう」
お父さん、お母さん、自分が子どもだった頃を思い出してみてください。
あいさつには「勇気」が必要
長年、幼児教育に携わっている私たちでも、初めから上手にあいさつできる子に出会うのは極稀なことです。
子どもがあいさつをするためには、どんなことがあってもひるまないくらいのゆるぎない勇気が必要なのです。
お子さんは、あいさつが相手に届かず、失敗した経験をしているかもしれません。
このようなちょっとしたことが、思いがけず気持ちをくじけさせる原因になっていることもあります。
おうちでおしゃべりしているときは、声が小さくても、言い間違いがあっても、さほど気にせず会話を続けているはず。
それなのに、「あいさつ」となると急に「完璧」を求めすぎていませんか?
他人との比較が心を傷つける
子どもの目の前で「◯◯くんはごあいさつできているのに」などと他のお子さんと比べていませんか?
このような言動は、子どもの心の傷に塩を塗るようなものです。
余計にあいさつをしたがらなくなります。
たとえきょうだいであっても、比べるのは厳禁です。
あえて比べるなら、子ども自身の「以前」と「今回」の違いです。
「そういえば先月は私の後ろに隠れていたのに、今日は隠れなかったな・・・」など。
そうすれば、わが子の小さな成長を見逃すこともありません。
親の背中を見ている
では、具体的にはどうやって子どもにあいさつを教えればよいのでしょうか?
それは、「親の背中を見せること」です。
外であいさつする機会を積極的に利用しましょう。
親があいさつする姿を、子どもはしっかりと見ています。
子どもは真似する天才です。
観察力に優れているので、言葉だけでなく、「立ち止まって」「相手の顔を見て」「笑顔で自分から」など細かい部分もよーく見ています。
意識して、お手本を示してあげましょう。
あるお母さんも幼少期にあいさつが苦手だったそうです。
そのことを思い切って子どもに打ち明けました。
すると思った以上に子どもは驚き、少しずつあいさつをしようとする回数が増えていったそうです。
私たちEQWELチャイルドアカデミーの講師は、子どもが教室に入ってきたら、
「◯◯さん、こんにちは!◯◯ちゃん、こんにちは!」と、保護者と子ども、それぞれに声をかけます。
もちろん元気に「こんにちは!」と言える子ばかりではありません。
小さな声で返してくれる子もいれば、にっこり笑うだけの子もいます。
目を合わせるだけの子もいるし、お母さんの後ろに隠れてしまう子もいます。
そんな子たちにも、保護者と講師とのやりとりをお手本として見せながら、
「元気にごあいさつできたね」
「お顔でお返事してくれたね」
「心の中で上手に言えたね」など、
子どもの様子に合わせて「あいさつできたね」と言葉をかけているのです。
子どもがあいさつしないと、「しつけができない親と思われてしまう」と感じるかもしれません。
周囲からどう見られるかが気になる気持ちはわかります。
でも、今、親がすべきことは、子どもの成長を信じて待つことです。
人の目を気にしすぎて、子育ての楽しさを忘れないでください。
子どもはチャレンジを繰り返しながら、勇気のパワーを貯めているのです。
そして勇気が体中にたっぷりチャージされたら、にこにこ笑顔で「こんにちは!!」と言える日が必ず来ますよ♪