こんにちは。EQWEL(イクウェル)チャイルドアカデミー筑紫野・大牟田・荒尾教室のひげ先生こと、田口圭二です。
小学生の子どもたちが三々五々、元気な声を出しながら教室へ集まってきます。
しばらく、子どもたちなりに世間話に花が咲きます。
話が一段落すると、それぞれバッグからテキストを取り出して、自分が勉強したいページを開き、自学自習が始まります。
私はニコニコ笑って子どもたちの話を聞いたり、場合によっては知らん振りしています。
しばらくすると、「先生、わかりません」とお呼びがかかります。
「あっ、そう。それじゃ、あと三回考えて、どうしてもわからなかったら先生と一緒に考えよう」
これが毎回、私の返事です。
「あっ、わかった!」
しばらくして返ってくるこの言葉も、パターン化しました。
最近ではめっきり、私の出番が少なくなってきました。
子どもたちは、私の返事を知っているからです。
考えて、考えて、どうしてもわからない時だけ、お呼びがかかります。
それまで私はノンビリしています。
目だけは、常に子どもたちのテキストを見ています。
間違いを見つけた時、「あっ、◯◯くん」と私が言います。
それだけで、テキストの上に顔を伏せてしまう子どもが一人います。
名前を呼んだだけです。
ただ名前を呼ばれただけで、そのような行動をとってしまうのです。
あとは何を言っても、顔を上げようとしません。
なぜでしょう。
彼は恐いんです。
間違ったことが。
怒られるから。
私は怒りませんが、お父さん、お母さんから、いつも怒られているようです。
だから、間違うことを、とても恐れています。
「どう思う?」と聞かれても、決して自分の意見を言いません。
自分の意見を言って、注意されるのが恐いのです。
「どう思う?」と聞かれているのですから、他人と違っていて当たり前なのですが。
ところで、過保護に育った子どもは、思考することが苦手です。
自分で考える前に、両親あるいは祖父母が答えを出してくれるからです。
脳回路が最大限に造られる大切な幼児期に、思考回路の刺激がないままに育ってしまいます。
そのようにして育つと、学習面、又は友人関係など、何か考えて答えを出さなければいけない状況で、思考することができません。
だから、感情で対処することになるわけです。
過保護とまったく逆の、愛情不足の子どもとに共通する部分があります。
それは、人間としてとても大切な「個」が育っていない点です。
自分の考えが無いことです。
「個」が無く、自分の考えが無いと、何でも他人のせいにします。
「◯◯ちゃんがしたから」
「◯◯ちゃんが言ったから」
自分という「個」が育っていると、相手の「個」も発見できます。
他人を認めることができます。
親から充分に愛され、認められていると、心だけではなく脳回路まで成長するのです。
キラキラと光り輝く「個」を、満天の星のように、この地球上にちりばめましょう。