3歳〜4歳になったお子さんについて、こんなことに困っていませんか?
イヤだと思ったらとことん拒否する
こうと決めたら何が何でも主張を通そうとする
自己主張が激しく、わがままになったと感じてしまうかもしれません。
拒否や無理な主張が繰り返されると、さすがに親も疲れてしまいますよね。
でも、この自己主張は「反抗期」ではなく「成長の過程」なのです。
子どもの発達や心理を正しく理解して、さらなる成長に導いてあげましょう。
言葉だけでは伝えきれない
3歳くらいになると、子どもなりに使える言葉がかなり増えます。
「日常会話が充実してきたなぁ」と感じることも多いのではないでしょうか。
そんな中で、子どもが自分の主張をし始めるのは自然なこと。
ただ「イヤだイヤだ」と繰り返していたイヤイヤ期に比べると、イヤな理由もそれなりに説明ができるようになります。
とは言え、まだ3〜4歳の子どもですから、言葉の扱いは未熟です。
論理的に相手を説得する話法を身につけたわけではないので、主張の内容には偏りやズレが起きてしまいます。
子ども自身は自分の気持ちや状況をうまく伝えられない葛藤から、感情的になってしまうのです。
子どもが流暢に話せているからといって、自分の気持ちを正しく伝えられているわけではないと理解してあげてください。
その心構えができていれば、冷静さを取り戻し、子どもの発言そのものに振り回されずに済みます。
本当の気持ちを受け止める
自分の気持ちを正しく伝えられているわけではないとわかった上で、子どもの言葉に耳を傾けると、
「こんなふうに感じるんだな」
「こんなふうに伝えられるようになったんだな」
「こんな言葉も使えるようになったんだな」
などと、子どもの成長や変化に気づくことができます。
また、冷静に聞くことで、
「もしかしたら◯◯と言いたかったのかな?」など、子どもの本当の気持ちを読み解くことができます。
「◯◯ちゃん、本当は◯◯って言いたかったのかな?」
このように子どもの気持ちを代弁することで、その気持ちに寄り添い、より良い伝え方を教えることができます。
ひらがなを練習中の親子の会話を例に、改善方法を見てみましょう。
(鉛筆を握る子どもの手に重ねる)
子「じゃま!」
(バシッと手を払う)
親「せっかく教えてあげようとしてるのに、どうして乱暴なことするの!?」
子「かけるの!」
(字を書き上げる)
親「できるならそう言えばいいでしょ!」
(鉛筆を握る子どもの手に重ねる)
子「じゃま!」
(バシッと手を払う)
親「一人で書きたいの?」
子「そうだよ!」
(字を書き上げる)
親「すごいね!一人で書けたね!」
子「うん!」
親「さっき、じゃまって言ったのは、一人で書きたいから手を持たないでほしいってことだったのかな?」
子「そうだよ」
親「そうだったんだね。そしたら、次は一人で書くからねって教えてくれるかな。そしたら、バシッてしなくても伝わるよ。◯◯くんがひらがな上手になるの、お母さんも嬉しいな」
子「わかった!!」
このようなやりとりを繰り返すと、子どもは「自分の話を聞いてもらえた」「自分を受け止めてもらえた」と感じ、徐々に反抗的な言動が減ってきます。
主張が通らない時もある
人生経験が浅い子どもは、世の中は自分を中心に回っていると感じています。
そのため、自分の思い通りにならないと、戸惑って怒ったり泣いたりしてしまうのです。
これからの長い人生、主張が通らないことはたくさんあります。
親は子どもにガマンすることも教えなくてはいけません。
しかし、ただガマンするのは、子どもにとって負担が大きいので、
「別のタイミングなら主張が通るかもしれない」と、気持ちを切り替えるチャンスを与えてあげてください。
例えばおやつの時・・・
親「おやつが食べたいんだね。今、2時40分だね。おやつは何時からだったかな?」
子「3時。でも、もう食べたい!」
親「もう食べたいんだね。でもあと20分で3時だから、もう少し待ってね」
子「いやだ!!今すぐ食べたい!!」
親「◯◯ちゃん、おやつは3時からです。3時になったらママと一緒に食べようね」
始めのうちは感情的になるかもしれませんが、このようなやりとりを繰り返していると、子どもは「あと少し待てば、自分の主張が通る」ことを理解できるようになります。
感情に振り回されない「自己コントロール力」を身につけさせることは、成長の過程でとても大事なことです。
根気よく教えていきましょう。
子どもは経験を通して、日々変化・成長をしています。
その過程で目についたことに親が振り回されることなく、ゆったりと子どもを見守れると、子どもの本当の気持ちが見えてきます。
ただ叱るよりも、良い行動を促す言葉がけができて、子どもの成長を実感することができるのです。