「1歳になる頃には歩き出すと聞いていたのに、我が子にはまだそんな気配がない・・・」
お友だちやSNSで
「赤ちゃんが歩き始めた」「靴を買った」という話を聞いたり目にしたりすると、焦ってしまいますよね。
母子手帳には発達の目安として
「つかまり立ちが生後9~10ヶ月」
「つたい歩きが1歳頃」と書いてあります。
ただ、発達には個人差があるので、焦る必要はありません。
赤ちゃんはハイハイを通して、たくさんの刺激を受け、脳や体を発達させています。
この時期に培った「物を視る力」「基本概念」「体幹」「好奇心」は、その後の長きにわたる学習の土台になります。
そこで今回は、ハイハイの効果と役割、そして効果的に脳と体を発達させるコツについてお伝えします!
協応動作を発達させる
ハイハイは「体幹」を鍛えます。
体幹が弱いと転倒しやすかったり、姿勢を保って座っている事が難しくなります。
ハイハイをする時は、床を押し蹴るように進むので、足の指に力が入ります。
足指の筋肉が弱いと、バランスがとれず転倒することが増えます。
足指の筋肉がしっかりしていると、体勢が崩れた時、とっさに立て直すことができます。
ハイハイは「バランス感覚」と「反射神経の基礎」を作っているのです。
また、ハイハイは「協応動作の基礎」も作ります。
協応動作とは、目と手、手と足など2つの力を同時に使うことです。
赤ちゃんはハイハイをしながら、
「左側に体重を寄せないと、右手や右足を浮かせて動かすことができない。反対も同じだ」ということを学びます。
これを繰り返しの経験の中で獲得し、体重移動のコツを掴んでいきます。
スムーズになるとスピードが速まり、長い距離の移動も楽にできるようになります。
ハイハイを繰り返すことで、協応動作がうまくできるようになるのです。
協応動作が上手にできると、転倒しそうな時に危険を察知して手を出すなど、危機回避能力が鍛えられます。
脳を発達させる
手足を使ってハイハイをすると脳に流入する血流量が増え、脳神経細胞のシナプス(枝のようなもの)が増えます。
つまり、脳が発達するのです。
さらに、五感を通して学ぶこともあります。
ハイハイをしながら手足で触れている床の感触(ラグの上は「もこもこ」、フローリングの上は「つるつる」など)によって、「触覚」が刺激されます。
おもちゃなどを求めてハイハイすることで、「視覚」も刺激されます。
遠くのおもちゃをめがけてハイハイすると、近づくにつれておもちゃがだんだん大きく見えてきますよね。
この動きを通して、赤ちゃんは「遠い」「近い」、「大きい」「小さい」といった「基本概念」を学んでいるのです。
また、気になる物や触りたい物に自分の力で近づけるので、「好奇心」が満たされます。
もうすぐ手が届きそうなところで、おもちゃを少し遠くに置いてみると、子どもの「触りたい」という好奇心はさらにくすぐられます。
ハイハイによって一気に行動範囲が広がり、赤ちゃんはより多くの刺激を受けています。
好奇心や行動範囲の広がりは、脳や精神的な発達に繋がっているのです。
赤ちゃんにとって、ハイハイはとても重要です。
パパやママは「歩かない」と焦らず、豊かな刺激を与えるような環境づくりをしながら、やがて迎える歩き始めの一歩を楽しみに待ってあげてください。