暗唱の効果については、以前のブログでお伝えしました。
教えて!先生27「暗唱の効果」
ところが、暗唱になかなか取り組めなかったり、嫌がったりするお子さんもいらっしゃるようです。
子どもの将来にとって良いことはわかっているのに、肝心の本人が暗唱を楽しめないと意味がありません。
そこで今回は、暗唱のコツをお教えします!
STEP 1 まずは“耳”から
暗唱の課題を読んで、聞かせることから始めてみましょう。
遊んでいるときや車の中で、CDやダウンロード音源を流してもOKです。
とにかくまずは“耳”から課題を“入れる”ことが大切です。
EQWELチャイルドアカデミーの「幼児コース」の年少から年長まで通して取り組む『ようじの暗唱』の「いろはうた」を例にして説明してみます。
「いろはにほへと ちりぬるを・・・」
読んだり、流したりしながら、とにかく繰り返し聞かせます。
朝起きてから幼稚園・保育園に行くまで。
送り迎えの車内で。
夜寝る前など。
決して子どもに「覚えさせよう」としてはいけません。
お父さん・お母さんが暗唱を楽しみながら、読んで聞かせましょう。
子どもを膝にのせて聞かせると、親子のスキンシップにもなりますよ。
STEP 2 “まねっこ”で言ってみる
課題を聞かせ始めて一週間くらいしたら、その日最後に聞かせるタイミングで、“まねっこ”をさせます。
親:「いろはにほへと」
子ども:「いろはにほへと」
一緒に言えそうなら、「せーの!」でチャレンジしてもOKです。
スピードは少しゆっくりめで、一息で言えるくらいの長さからスタートしましょう。
子どもが言っている時、笑顔で楽しみながら聞いてあげてください。
そして、言えたことをしっかりほめます。
うまく進まないときは、聞かせ足りていないかもしれないので、STEP 1に戻りましょう。
無理やり言わせてはいけません。
あくまでも、本人が楽しそうにしていることがポイントです。
STEP 3 “ひとり”で言ってみる
STEP 2に進んで一週間くらいしたら、その日最後に聞かせるタイミングで、“ひとり”で言わせてみてください。
例えばこんな感じで。
- 「いろはにほへと」で少し待ち、「ちりぬるを」を子どもに言ってもらう
- お気に入りのフレーズがあれば、その部分を任せてみる
- 親が「いろはにほへと ちりぬるを わかよたれそ」と言ったら、子どもが「つねならむ!!」と続ける
- 「ひとりでどこまで言えるかな?」とゲーム感覚で言わせてみる
- 親が読み上げるのを聞かせて、途中で「あれ?なんだっけ?」と尋ね、続きを子どもに言わせる
子どもが引っかかって言えなければ、親が続けてあげます。
うまく進まない場合は、STEP 2に戻ります。
ひとりで挑戦する姿勢を、しっかりほめてあげてください。
笑顔で楽しみながら聞いてあげてください。
言えたことをしっかりほめてあげてください。
「一度言えたらおしまい」ではありません。
同じ課題を、何度も暗唱させてもいいんです。
繰り返し暗唱することで、処理能力をさらに高めることができます。
そうすると、スピードがだんだん速くなって、初めての課題を暗唱する時間も短くなります。
STEP 4 “発表”の場を与える
暗唱ができるようになったら、ぜひ誰かの前で発表するチャンスを作ってあげてください。
幼稚園・保育園の先生や、おじいちゃん・おばあちゃんなど。
人前での発表は、子どもにとってとても恥ずかしいもの。
「あのいつもは元気な子が?!」とびっくりするくらい小さな声でしか言えない場合もあります。
そうであっても、一生懸命に言えたことをほめ、「もっと大きな声で」などと注意してはいけません。
この経験が子どもに達成感を味わわせ、自信とやる気を育てるのです。
EQWELチャイルドアカデミー宗像教室のAくんも、幼稚園の頃は暗唱が苦手でした。
お母さんは「読むだけでほんとにいいのかな?いつまで読めばいいのかな?」と半信半疑でしたが、「覚えなさい」「暗唱しなさい」とは一切言わず、毎日暗唱の課題を読み聞かせてくださいました。
あるとき、ふと、Aくんが「ママ、そこ違うよ」と間違いを指摘しました。
「え?じゃあ教えて!」と言ったことをきっかけに、楽しく暗唱に取り組めるようになったそうです。
Aくんは小学生に入るとどんどん暗唱のスピードを上げ、2年生の時には漢詩や漢文を数秒で覚えてしまうようになりました。
今では何でもすぐに記憶してしまい、暗唱を楽しんでいるそうです。
テレビCMで流れるフレーズをすぐに覚えてしまうように、子どもは耳から情報を吸収する能力が優れているのです。
そんな時期に、暗唱は脳の質を高める取り組みとして、とても効果的です。
「言えた!!」の喜びを実感すれば、モチベーションがさらにアップし、暗唱を楽しく続けていけるのです。
気がつけば、子どもに一生モノの質の高い記憶の回路が身につきますよ。
ぜひ、暗唱に楽しく取り組んでみてくださいね。