一般的に、幼稚園・保育園での活動の中で、3歳ごろから「お絵かき」が組み込まれるようです。
この頃までに、お絵かきに興味が持てていると良いですね。
ところが、3歳の子どもが描く絵は、ぐちゃぐちゃと線や丸を描いただけ。
大人には何を描いているのか、さっぱりわかりません。
「もしかして、うちの子は絵が下手なの?」
そんな心配は無用です。
子どもは子どもなりに、絵に意味を込めて描いているのです。
そして、上手に誘導してあげれば絵が上手になることはもちろん、
「表現力」や「イメージ力」、さらに「語彙力」まで伸ばすことができるのです。
そこで今回は、子どものお絵かきが上達するコツをお教えします!
まずはお絵かきを「楽しむ」
画力が未熟な子どもの絵は、親が見ても何を描いているのかよくわかりません。
しかし、子ども自身はハッキリと意思を持って「何か」を描いています。
お絵かきをしながら、自身の体験を振り返っているのです。
描こうとする時、そして描いている最中も、イメージ力を膨らませています。
「また描きたい」という意欲が、子どものイメージ力をどんどん高めていきます。
また、「描く」という動作で、指先の器用さも育っていきます。
丸をひとつ描くだけでも、子どもにとっては刺激となり、発達を促しているのです。
お絵かきを効果的に続けていくためには、何よりも子どもが「絵を楽しく描くこと」が大事なのです。
「タイトル」を付ける
ここからが親の出番です。
子どもが絵を描いたら、何を描いたのかを質問して、絵の下に「タイトル」を書いてください。
「何を描いたのか」を答えることで、
「体験したこと」=「描いた絵」=「それを表す言葉」が子どもの中でつながっていきます。
このやり取りを繰り返すことで、子どもの「表現力」や「語彙力」が育まれていくのです。
効果的に語彙力を伸ばすために『ことば え じてん』がオススメです。
子どもが描いた絵を切り取って大きめのらくがきちょうに貼り付け、タイトルをつけます。
あ行、か行、さ行・・・とまとめれば、オリジナルの『ことば え じてん』の完成です。
自分の絵を大切に取り扱ってもらえる行為は自己肯定感を高めます。
さらにこの『ことば え じてん』は、成長したあとも素敵な『思い出帳』になりますよ♪
「今日のできごと」を描く
絵がスムーズに描けるようになってきたら、パパ・ママから「お題」を出してみてください。
これまでしてきた「絵を描く→タイトルを付ける」を逆にするのです。
お題は「今日のできごと」や「ゴールデンウィークに経験したこと」が良いでしょう。
記憶が新鮮なうちに、経験したこと(家族旅行や親戚と集まったことなど)を親子一緒に思い出しながら描いてみましょう。
最初は難しいかもしれないので、親が描いて見せるだけでもOKです。
描いた絵には、一言感想を添えるのもオススメです。
これが「絵日記」につながっていきます。
「絵日記」を描いてみよう
絵が楽しめるようになったら『絵日記』の始め時です!
最初は「絵」だけで構いません。
親が「タイトル」や「感想」などを聞き取って書き添えてください。
子どもは「絵日記」を通して表現する楽しさを知り、自信をつけていきます。
文字も少しずつ書いてみましょう。
文字が書けたら、単語、文章へと広げていきます。
絵を描くことで運筆力・筆圧が安定していくので、文字書きもスムーズに進められるはずです。
「描く」意欲と同時に、「書く」意欲も高めることができます。
みなさんの参考になるように、EQWELチャイルドアカデミーの生徒さんの絵日記をご紹介します。
Sくん(年少)
おうちの方がコメントを添えてくださいました。
雨が降りました。
「水溜まりとミミズ」とドロ
Mちゃん(年中)
M(本人の名前)がおさんぷ(ぽ)をしています。
おさんぷ(ぽ)がすきです。
どうぶつえんにいきたくてしょうがないです
あとすいぞくかんにもいきたいです。
たのしいです
Nちゃん(年長)
●●こうえんのすなばとすべりだいであそびました。
●●ちゃんとあそびました。
しゃぼんだまお(を)しました。
成長がよくわかる絵日記ですね。
楽しかった経験を思い出すことで、子どもは楽しい気持ちを二度味わえます。
それを絵で表現することで、伝える楽しさをさらに知ることができるのです。
これをくり返しているうちに、いつのまにか未来の画家が生まれるかもしれません!
今は何を描いているかわからなくても、それは成長の過程。
子どもは子どもなりに意味を込めて描いています。
心配しなくても大丈夫ですよ!