教えて!先生73「英文法も教えるべき?」

英語を習っている幼児の保護者の方から
「なかなか『英文』が話せるようにならない」というお悩みを伺うことがあります。

例えば、
「What’s this?」と問いかけた時に「Desk」と単語だけで返事をする、といった感じです。
「It’s a desk.」と答えてほしいんですね。

「子どもに英文法を教えていないから、文章を話すことができないのでは?」と心配される方もいるようですが、
幼児期の文法の習得方法は、理論的に理解させる中学生や高校生の習得方法とは全く違います。

では、どうしたら「英文」が話せるようになるのでしょうか?

  

幼児期は絵本の「多読」が効果的

「多読」とは英語の学習法のひとつで、単語や文法がわからなくても調べることなく、たくさんの英文を読み進める方法です。

幼児には、絵本の「多読」をオススメします。

絵本の読み聞かせは「絵」がイメージ力を引き出すため、子どもは効果的に「言葉」を覚えます。
これは、日本語でも英語でも同じです。

「多読」は「言葉」の獲得だけではなく、「文法」の習得にも効果を発揮します。
幼児期は耳から聞いたことを、そのまままるごと覚えしまうからです。

同じ絵本のくり返しでも構いません。
発音を気にする必要もありません。
英語の絵本をたくさん読み聞かせてあげてください。
親が楽しく声に出して読んでいればOK。
子どもは見ていないようでも、無意識に聞いています。

ついつい、「理解させたい」「分からせたい」との思いから、日本語で説明してしまいがちですが、これは絶対にしてはいけません。
日本語の説明がないと分からなくなってしまうからです。

「多読」ですから、意味も文法も、理解させる必要はありません。
見た物をそのままダイレクトに英語で聞かせましょう。

理解は後から付いてくるので、心配しなくても大丈夫です。

 
絵本の読み聞かせ

 

「読み聞かせ」から「音読」へ

「読み聞かせ」に慣れてきたら、声に出す「音読」に挑戦させましょう。
聞いて覚えていることを声に出す(アウトプットする)ことで、記憶の定着へとつながります。

音読ができるようになるころには、その絵本の意味やイメージが頭の中でできているはずです。
また、文の構造もなんとなく自然に身についています。

「How are you today?」というフレーズを何度も聞いていたら、
その答えが「I’m good.」や「I’m hungry.」だということも覚えています。

もし、「You today are how?」というデタラメな文章を聞いたとしたら、何だかおかしいことにも気づくようになります。

このまるごと英文を記憶する方法が、幼児期に効果的な英語・英文法の習得法なのです。

 
絵本の音読

 

「音読」から「暗唱」へ

「音読」ができるようにったら、つぎは「暗唱」につなげましょう。
絵を見たら、そのページの英文がスラスラ出てくる状態です。

暗唱までできるようになると、絵の意味、文の形、英語のリズムまで身についています。
こうなると、問いかけには「英文」で答えられるようになっているはずです。

また、暗唱は「記憶力のアップ」「長期記憶」「記憶の定着」にもつながります。
 

絵本の暗唱

 
EQWELチャイルドアカデミー 英語コース幼児クラスでは、絵本の読み聞かせ・音読・暗唱に繰り返し取り組みます。

レッスンで使っている絵本に「My mother makes an orange juice.」という文があります。
この一文をしっかり暗唱していた4歳の生徒さんが、ある日のレッスンで「My father makes an apple juice!」と話してくれました。

この一言で一目瞭然ですね!
短文での「表現」「記憶」「理解」「文法」全てが自然に身についています。

絵本の多読はとても効果的です。
ぜひ、楽しみながら取り組んでみてください。