英語を習っている幼児の保護者の方から
「なかなか『英文』が話せるようにならない」というお悩みを伺うことがあります。
例えば、
「What’s this?」と問いかけた時に「Desk」と単語だけで返事をする、といった感じです。
「It’s a desk.」と答えてほしいんですね。
「子どもに英文法を教えていないから、文章を話すことができないのでは?」と心配される方もいるようですが、
幼児期の文法の習得方法は、理論的に理解させる中学生や高校生の習得方法とは全く違います。
では、どうしたら「英文」が話せるようになるのでしょうか?
幼児期は絵本の「多読」が効果的
「多読」とは英語の学習法のひとつで、単語や文法がわからなくても調べることなく、たくさんの英文を読み進める方法です。
幼児には、絵本の「多読」をオススメします。
絵本の読み聞かせは「絵」がイメージ力を引き出すため、子どもは効果的に「言葉」を覚えます。
これは、日本語でも英語でも同じです。
「多読」は「言葉」の獲得だけではなく、「文法」の習得にも効果を発揮します。
幼児期は耳から聞いたことを、そのまままるごと覚えしまうからです。
同じ絵本のくり返しでも構いません。
発音を気にする必要もありません。
英語の絵本をたくさん読み聞かせてあげてください。
親が楽しく声に出して読んでいればOK。
子どもは見ていないようでも、無意識に聞いています。
ついつい、「理解させたい」「分からせたい」との思いから、日本語で説明してしまいがちですが、これは絶対にしてはいけません。
日本語の説明がないと分からなくなってしまうからです。
「多読」ですから、意味も文法も、理解させる必要はありません。
見た物をそのままダイレクトに英語で聞かせましょう。
理解は後から付いてくるので、心配しなくても大丈夫です。
「読み聞かせ」から「音読」へ
「読み聞かせ」に慣れてきたら、声に出す「音読」に挑戦させましょう。
聞いて覚えていることを声に出す(アウトプットする)ことで、記憶の定着へとつながります。
音読ができるようになるころには、その絵本の意味やイメージが頭の中でできているはずです。
また、文の構造もなんとなく自然に身についています。
「How are you today?」というフレーズを何度も聞いていたら、
その答えが「I’m good.」や「I’m hungry.」だということも覚えています。
もし、「You today are how?」というデタラメな文章を聞いたとしたら、何だかおかしいことにも気づくようになります。
このまるごと英文を記憶する方法が、幼児期に効果的な英語・英文法の習得法なのです。
「音読」から「暗唱」へ
「音読」ができるようにったら、つぎは「暗唱」につなげましょう。
絵を見たら、そのページの英文がスラスラ出てくる状態です。
暗唱までできるようになると、絵の意味、文の形、英語のリズムまで身についています。
こうなると、問いかけには「英文」で答えられるようになっているはずです。
また、暗唱は「記憶力のアップ」「長期記憶」「記憶の定着」にもつながります。
![絵本の暗唱](https://eqwel-smile.com/kanri/wp-content/uploads/2022/01/cks_img_20220120003.jpg)
EQWELチャイルドアカデミー 英語コース幼児クラスでは、絵本の読み聞かせ・音読・暗唱に繰り返し取り組みます。
レッスンで使っている絵本に「My mother makes an orange juice.」という文があります。
この一文をしっかり暗唱していた4歳の生徒さんが、ある日のレッスンで「My father makes an apple juice!」と話してくれました。
この一言で一目瞭然ですね!
短文での「表現」「記憶」「理解」「文法」全てが自然に身についています。
絵本の多読はとても効果的です。
ぜひ、楽しみながら取り組んでみてください。