「◯づけ」とは、カウンセリングのエッセンスを利用して、親子関係をまるく円滑にする、新しいコミュニケーション法です。
EQWELチャイルドアカデミー5教室を運営するユニバーサルアカデミーの社長であり、ひげ先生と親しみを込めて呼ばれている田口圭二先生が編み出したものです。
カウンセリングというと難しく感じるかもしれませんが、とてもシンプルで特別な技術は必要なし!
子育てに忙しいお父さん・お母さんでもすぐに習得することが出来ます。
そんな「◯づけ」をズバリ一言でいうと、
子どものコトバや考え、行動のすべてに「◯をつけて」認めることです。
ただ、この◯は、「正解」とか、「合っている」という意味ではありません。
それより、「共感」や「受容」、もしくはもっとソフトなニュアンスで、「受け止める」といった意味に近いでしょう。
子どもはいつも「◯」
例えば、お子さんが「3足す4は8!」と言ったとします。
当然、これは正解ではありませんよね?
普通なら「惜しい!」とか「ブー!」など不正解を表すコトバをかけることが多いと思います。
それが「◯づけ」の場合、「3+4=8」が合っているか間違っているかの前に、お子さんが自ら考えて答えを出したことや、算数に取り組んだことなど、「3+4=8」が導き出される過程自体を「◯」として認め、まず「◯」を表現するのです。
「なるほど!すごいなぁ、よく考えたなぁ」
といった具合です。
もちろん、子どもがきちんと正解を出すことが出来るまで手伝っていきますが、「間違っている」という表現は避けます。
「◯づけ」子育てでは、いいか悪いか、合っているか間違っているか、というような二元論の物差しは使わないようにするのです。
子どもはいつも「◯」。
正解したり、いいことをしたりしたら、さらに「◎」(二重マル)であり「花マル」です。
「×」はつけません。
このように、いつも子どもに「◯」をつけること。
また、「◯」をつけていることが子どもに伝わるコトバ遣いやココロ遣いをすること。
これが「◯づけ」の基本的な考え方です。
親子関係を良くも悪くもするコトバ
それでは、なぜ「◯づけ」は子育てに役立つのでしょうか?
人はいつも、誰かとコミュニケーションを取りながら生きています。
コトバが話せない赤ちゃんも一緒。
いろいろな泣き方で「お腹が空いた」、「オムツ換えて」、「具合が悪い」など欲求を伝えます。
泣くことでお母さんとコミュニケーションを取っているのです。
少し大きくなっておしゃべりが出来るようになってくると、今度はコトバを使ってコミュニケーションを取ります。
このコトバこそ、親子関係を良くも悪くもする、最重要ポイント!
日常会話を思い出してください。
日常会話では流れを重視するために、細かいことを省いてしまいますし、分かりやすく伝えるために大げさに言うこともあると思います。
そうすると、聞く側が受け取ったコトバのイメージと事実がずれてしまい、誤解に繋がってしまう場合があるのです。
また、きちんとしつけなければならないと思うあまりに、つい強い口調で怒ったり、子どもを否定するようなコトバを投げかけていませんか?
この「しつけ」のためのコトバが子どもにマイナスの影響を与えてしまうことがあります。
どんなお父さん・お母さんも、怒ったりせずにいつも笑顔でいたいと本当は思っているはずです。
温かい愛情で子どもを包み込んで、立派な人に育てたいと願っているでしょう。
それなのに、何の気なしに使っているコトバが誤解を生んで、子どものココロを傷つけているとしたらどうでしょう・・・。
「◯づけ」は、このようなコミュニケーションにおける、親子のボタンの掛け違いをリセットしてくれます。
- 子どものコトバや考え、行動のすべてに「◯をつけて」認める
- 答えが導き出される過程自体を「◯」として認め、まず「◯」を表現する
- 「間違っている」という表現は避ける
- 「◯」をつけていることが子どもに伝わるコトバ遣いやココロ遣いをする
具体的な「◯づけ」の方法は、また次回お話します。