教えて!先生30「遊びと勉強の両立」

「遊び」も「勉強」も子どもにとって大切なことだとわかってはいるものの、
どちらも十分に時間を取るのは大変です。

特に小学生になると、学校行事や習い事などで忙しくなり、どんどん時間が足りなくなります。

親が焦っていても、肝心の本人はゲームをしたり、テレビを観たりと、なかなか机に向かってくれません。

さあ、「遊び」と「勉強」は、どうやって両立させれば良いのでしょうか?
 
遊びと勉強の両立
 

子ども自身でスケジュールを決める

朝起きてから夜寝るまでのスケジュールを、子ども自身に作ってもらいましょう。
手順は以下の通りです。

  1. 家を出る時刻、帰宅時刻、夕食、お風呂、寝る時刻などのある程度決まったスケジュールを付箋に書き込む
  2. 次にやりたいこと(ゲーム、テレビ、YouTube、ボーっとするなど)と、やるべきこと(宿題、その他の勉強、手伝いなど)を所要時間も含めて一項目ずつ付箋に書き出す
  3. 付箋を並び変えてスケジュール化する
  4. 親子でいつでも確認できる場所に貼る

スケジュールのポイントは「メリハリ」です。
「やりたいこと」と「やるべきこと」がバランスよく入っていると、生活のリズムが整いやすくなります。
タイマーやアラームなどを使うのもオススメです。

このスケジュールに沿って過ごし、遊びも勉強もがんばっている姿を子どもにイメージしてもらいましょう。
 
ふせん
 

まずは『1週間』実行

まずは1週間、子どもに自分で決めたスケジュール通りに行動してもらいます。
親は、できるだけ口出しをせずに見守ります。

遊びに夢中になって、勉強の時間になってしまった時は、
「◯◯ちゃん・・・」と声をかけ、時計を指さすくらいにとどめます。

「ほら~、もう時間過ぎてるじゃないの!!」
「せっかく決めたのに」
「決めてもやらなきゃ一緒だね」
「なんでできないの?」
「やっぱり三日坊主だったね」

スケジュールが守れなくても、怒ったり、否定したり、できないと決めつけるような言い方をしてはいけません。
 

親子で1週間の『振り返り』

スケジュールを実行し始めて1週間経ったら、親子で振り返りをしましょう。
問題点だけでなく、良かった点とその理由、改善点などもあげていきます。

  • うまくできたところについて
    どこがうまくいったか、なぜうまくいったか
  • うまくできなかったところについて
    どこがうまくできなかったか、なぜうまくできなかったか、本当はどうしたかったか
  • どうしたらうまくできそうか(時間を短くする、順番をかえるなど)

微調整が必要なところは、付箋を貼り変えましょう。

そして、また微調整したスケジュールで次の1週間を実行してもらいます。
親は、進捗状況を見守るだけです。

「時間には限りがある」ということ、「限りある時間は大切に使わなくてはいけないこと」を子ども自身が実感できるようにフォローしてあげましょう。
 
勉強
 

上級編:なりたい自分をイメージする

ここからは上級編です。
子どもにイメージ力が備わっていれば、こんな視点でスケジュールを作ってみましょう。

「半年後」
「1年後」
「大人になったら」

このようなポイントで、どんな自分になりたいかを子どもにイメージさせてみてください。

「算数が得意になる」
「◯◯の仕事をする」
「◯◯できる人になる」など。

「なりたい自分」のイメージができたら、そのためにどんなことをしたら良いかを子どもに考えさせます。

作家になりたいなら・・・

漢字をたくさん読めたり書けたりすると良い
本をたくさん読むと良い
人の気持ちを理解できると良い
友だちと会話が楽しくできると良い
友だちとたくさん遊ぶと良い

算数が得意になりたいなら・・・

計算問題を毎日◯問すると良い
今度のテストで◯点をとると良い

これらをどう、1週間のスケジュールに組み込めば良いかを親子で話し合います。

なりたい自分

EQWELチャイルドアカデミーの小学生コースのレッスンでは、「強くイメージしたことは実現する」ということを教えています。
「なりたい自分」になるためのイメージトレーニングについて話をします。
「憧れの人」になりきって、自分が成功した姿を具体的にイメージしてもらいます。

「やらなければならないこと」だけでなく、
「やりたいこと」にもきちんと時間を使って良いことを理解すると、
子どもは、自分なりの時間の使い方を工夫し始めます。

時間管理は、自己コントロールの一つ。
子どもの意志を尊重し、子どもが自ら立てたタイムスケジュールを親がフォローすることで、親子で一緒に遊びと勉強の両立を実現させることができるのです。