子育ての不安・疑問・悩みに、EQWELベテラン講師がお答えする「教えて!先生」シリーズ。
第8回のテーマは「お友だちを叩いてしまった!」の3歳編です。
1〜2歳については、教えて!先生4「お友だちを叩いてしまった!」1歳・2歳編をご覧ください。
3歳くらいから、だんだん「善悪の区別」ができるようになります。
しかし、感情のコントロールがうまくできないために、「叩く」という行動に出てしまうことがあります。
本人は「自分が悪い」ということがわかっています。
一方で、「叩く」という行動に肯定的な理由を持っています。
大人は、その肯定的な理由を理解しつつ、自分をコントロールする力を育ててあげることが大切なのです。
スリーヒントで理由を聞き出す
スリーヒントとは、3つの提案を疑問形で聞くことです。
「●●されたから嫌だったのかな?」
「一緒にしたかったから叩いちゃったのかな?」
「伝え方が分からなくて叩いちゃったのかな?」
と、状況を見ながら、叩いた理由を提案してみます。
子どもの反応を見て理由がわかったら、
「●●されたのが嫌だったんだね」
「●●を一緒にしたかったんだね」
など、子どもの感情を代弁して、共感してあげましょう。
これだけで、かなり落ち着かせることができます。
叱る時は「家庭内ルール」を明確に
「人に迷惑をかけない」
「自分がされて嫌なことは相手にしない」
など、ここまでは許せるけど、そこから先をしたら叱るという「家庭内ルール」を明確にしておくと、子育てがラクになります。
家庭内ルールは、パパ・ママの間ではもちろん、面倒を見てもらうおじいちゃん・おばあちゃんにも理解してもらって、協力をお願いしましょう。
人によってルールが違っていたら、子どもが戸惑ってしまいます。
叱り方のポイント
善悪の区別ができる年頃ですので、「叩くことは悪いこと」としっかり教えなくてはいけません。
叱る時は6つのポイントを押さえて伝えましょう。
- 感情的にならない
大きな声を出したり、強い口調で怒ったりすると、子どもの恐怖心を煽るだけで、話している内容を理解することができなくなってしまいます。
少し声のトーンを落として、毅然とした態度で言い聞かせましょう。 - 突き放すような言葉を使わない
「叩く子は嫌い!」「お友だちを叩く子は知らない!」など、子どもを突き放すような言葉を使うと、自己肯定感を失う可能性があります。 - 体罰を与えない
「他人に痛みを与えてはいけない」ということを教えているのに、教えている側が痛みを与えては矛盾しています。
3歳は、言葉が理解できる年齢です。
言葉で伝えましょう。 - 『なぜ叩いてはいけないのか』ということを根気よく伝える
「〇〇ちゃんも叩かれたら嫌だよね?」
「〇〇ちゃんも痛いんだよ?」など、子どもが叩いてはいけない理由が理解できるまで、根気よく伝えましょう。 - 気持ちを表現する方法を伝える
「次は一緒にやろうって〇〇ちゃんに言ってみようね」など、気持ちを表現する方法を具体的な言葉で教えましょう。 - 親も一緒に謝る
叩いてしまった子に対して、親子一緒に謝りましょう。
親の言うことをなかなか聞いてくれない子どもでも、親の姿をしっかり見ています。
感情のコントロールは、自己肯定感との関係性がとても高いと言われています。
自己肯定感は、パパやママの愛情と信頼関係で育まれていくものです。
感情をコントロールする力、自己肯定感を幼い頃からしっかり育んでいきたいですね。